不妊症・不育症について

女性の社会進出、晩婚化などにより女性の出産年齢があがっています。しかしながら加齢とともに卵巣や卵子の機能は低下することは否めません。最近の厚労省のデータによると2016年には出生した子供さんの18人に1人が不妊治療によって生まれています。これは日本社会が受け入れていかなければならない事実であり、我々はできる限りのサポートをしていく必要があります。

 

毎月一つの卵子が排卵するためには多くの原子卵胞が育ち、そのなかで最も大きくなったものが成熟卵胞となって排卵されていきます。卵巣予備能をみるAMH(抗ミューラー管ホルモン)の値は、どのくらい原子卵胞が残っているのかを示す値です。これは加齢によって低下していきます。つまり年齢が上がるにつれて妊娠する確率は徐々に少なくなって行くわけです。

また、年齢が上がるにつれて、妊娠したとしても染色体異常や流産になる可能性も高くなってきます。

通常、健康なカップルが1年間避妊をせずに性交渉を重ねている場合80%が妊娠し2年間のうちには90%が妊娠するといわれています。正常な性生活を送られている方であれば2〜3年様子を見て不妊治療に開始される方が多いようです。

しかし、30代半ば以降の方については少し早めに婦人科を受診され不妊要因がないかどうかチェックをされたほうが良いでしょう。過去のデータ・論文等においても年齢が上がるにつれて妊娠しづらいことが分かっています。

当院を受診される方は婦人科での不妊治療はもとより不妊症に良いといわれる様々なことを試されてから受診されるケースが多く、平均年齢も高めで何らかの不妊治療をされている方がほとんどです。当院の過去のデータでは、妊娠された方の8割が高度生殖医療を併用していました。

臨床上では高齢の患者さんの場合、妊娠しても出産まで至らないケースもあり、また体力的に採卵も難しくなって治療をあきらめるケースもあります。

かと思うと、20代ではタイミング法だけで妊娠出産にいたるケースも多く、そのように考えると、年齢による治療成績の差は否定できず、やはり鍼灸治療もスタートは早い方がよいのではないでしょうか?

 

当院では1〜2週に一回のペースで定期的に治療を行って体を整えていく必要があると考えています。専門医療機関で高度生殖医療を行っていても、赤ちゃんが育つ身体(子宮・卵巣を含めて)の環境が整っていなくては受胎・出産を迎えることができません。
先ほどの調査では多くの方に「冷え」「凝り」「疲れやすい」「イライラする」「肩凝り」などの不定愁訴ありました。そのような愁訴を改善していくことが早道と考えますが、原子卵胞が150日ほどかけて大きくなっていくことを考慮すると、半年から1年くらいは時間がかかると考えています。また、ほとんどの方にご自宅でやっていただくお灸の指導を行っています。


どのような病気・治療についても言えることですが、鍼灸治療がすべての方に有効というわけではありません。器質的な異常がある場合にはお役にたてないこともあります。
不妊についてお悩みの方は6大検査は最低限受けておかれるのが良いと思います。(6大検査:基礎体温表・一般精液検査・頸管粘液検査・ヒューナーテスト・子宮卵管造影・経腟超音波検査 )まずは検査により器質的な異常がないことを確認されてから鍼灸治療を始められるほうがベストです。

 

最後に、不妊治療は心身ともにストレスのかかるものです。本当にこれで良いのか、これがベストの方法なのか、ゴールは見えて来るのだろうか、と悩みます。これはどの病気においても同じことです。鍼灸治療にはリラクゼーション効果もありますので、メンタル面でもサポートすることが可能です。

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