今年の夏は長い期間わたって暑い日が続き、登山をするにもスタート時間を考えたり、持っていく飲み物を考えたりと良い経験になりました。今年はスタート時間を深夜2時、3時にスタートして暑い時間帯に標高の低いところを通過してみました。これまでは暗い時間の行動には何となく恐怖感もあり躊躇していたのですが、実際に歩いてみると目が慣れてくれば問題なく歩けることが分かりました。月の出ている夜であれば凄く明るい印象でした。
毎年、爽やかな5月が過ぎて梅雨が入るころから体調が思わしくない方はいらっしゃると思います。原因は、雨を降らせる低気圧が、次々に通過することによる気圧の変化に体がついていかないからです。特に今年は記録的な早さで本州でも5月末から梅雨入りとなりました。
気圧の変化が体に負担
6月に入った頃から頭痛や吐き気、眩暈(めまい)がしたり、体がだるいと訴える方が増えてきます。その原因は「気圧の変化」です。天気予報などで「●●ヘクトパスカル」と言う言葉を耳にすることがあるかと思います。これは気圧、大気の圧力を表す単位ですが、1ヘクトパスカルは1㎡に10kgの重さの物を置いたときの圧力です。実は人の体にも同じ圧力がかかっているのです。また、低気圧の通過時は、10ヘクトパスカル減少するごとに1㎡に100kgも減少します。次から次と低気圧が通過する梅雨の時期は、体がその変化について行けずに体調を崩し易くなります。
気圧を感じとるセンサー
気圧の変化を感じとっているのは体のどこの部分でしょうか?気圧のセンサーとなっているのは耳の奥にある内耳なのです。内耳が気圧を変化を感じ取り、内耳から脳へ信号が送られ、脳から自律神経へと指令が出ます。センサーで感じ取った気圧の変化が脳に伝わり、古傷や痛みの症状が呼び起こされたり、眩暈(めまい)や吐き気、頭痛と言った自律神経症状が起こりやすくなります。特に内耳にあるリンパ液の流れが悪くなると、内耳のセンサーが過敏になり、自律神経の働きが乱れます。
このような自律神経の不調にはなかなか効果的な薬はありません。
鍼灸での対応
首の横のラインや後頭骨周囲には、内耳に有効なツボが多くあります。主に鍼での施術になりますが、首筋や後頭骨周囲にあるツボに鍼で刺激を加えると内耳の血流が改善され、不快な症状が改善されてきます。
また、精神的なストレスを緩和するために、「腕・脚、背中などのツボ」に刺激を加えて行きます。そうすることで自律神経に働きかけ、症状の改善を促します。
鍼灸施術は副作用を心配する必要がありませんので、「お薬が嫌だ」「副作用が心配」という方にも安心して受けることができます。
先日、来院された腰痛の患者さんですが、一度の施術で劇的に改善されたので方向させていただきます。
2月のはじめの寒い日に、舗装路が凍結していたところを歩いていて滑ったそうですが、その時は手を着いたため体を打撲することもなく良かったなぁと思っていたところ、その際に腰を捻って痛めたようで、その日の昼から腰が痛くなってきました。曲げ伸ばしすると痛みがあり、翌日からは立ち上がりや歩行時にも痛みで体を傾けなければならなかったようです。その後、整形外科を受診したところレントゲン撮影では異常はなかったようですが、痛みのある部位に3回注射を行ったのですが、改善しなかったそうです。その後も鎮痛剤等で様子を見ていたのですが痛みに変化がなく3週間目にして当院に来院されました。
所見 第4腰椎・第5腰椎のすぐ横に強い圧痛部、下肢症状の痛み・痺れなし、立位での脊柱の歪みもなし、やや腰椎の前湾が強い。
施術 第4腰椎・第5腰椎のつなぎ目、椎間関節に炎症があると考えられ、強圧痛部に置き針、その後、筋肉の緊張のある部位に散刺術を加え、その後、専用器具を用いた筋膜スリックを行った。
施術後から痛みは半分ぐらいになり、歩行時の体の歪みもなくなった。翌朝にはほとんど痛みを感ずることもなく仕事にも集中できるようになった。
●考察:受傷より時間が経ち受傷部位の炎症は弱くなっていたのでしょうが、痛みによる筋の緊張ってっていたのではなかと考えます。そのため、1回の施術で痛みが急激に和らいだのでしょう。
いずれにしても早く回復し良かったです。
近年、スマートフォンを使用することが日常的となっていますが、使いすぎることで猫背になったり、肩こりや腰痛などの不定愁訴の原因にもなっています。スマホ操作時の猫背姿勢やストレートネックが首回りの筋肉を緊張させてしまうことで、胸郭出口症候群が起こるともいわれています。
スマートデバイスの利用と自覚症状
ここ最近、スマートデバイスは様々な発展を遂げ、日常生活になくてはならないものとなっています。その手軽さから、利用率、利用時間も増加傾向にあると考えられ、首肩の凝り、腕の痛み・痺れを訴える人が増加しています。そのなかには、単なる肩凝りだけでなく、頚椎疾患、胸郭出口症候群が含まれています。
胸郭出口症候群と言う病名をご存じですか?胸郭は肋骨と胸骨とで作られる胸の骨格です。胸郭で作られる空間には、心臓・肺・消化器と言った重要な臓器があり、それらを保護していますが、また首から出た神経や血管が走っています。その胸郭の上部でなんらかの原因により神経・血管が締め付けられることにより肩・背部の凝り感や上肢の痺れが出る病気です。胸郭出口症候群は主に4つのタイプに分類されます。
肋鎖症候群
肋鎖とは、第1肋骨と鎖骨の間の空間です。鎖骨が神経血管束および第1肋骨に向けて下方に圧迫されることで、肩、腕、手、指や背面に痛みや痺れなどが表れます。恒常的な首肩腕の酷使による血行不良、姿勢や老化などによる骨格の変位、ケガなどで鎖骨や肋骨を骨折した後の変形などが原因として挙げられます。
斜角筋症候群
斜角筋は頚椎と呼ばれる首の骨から第1肋骨と第2肋骨についている筋肉です。首を前に曲げたり、横に倒したり、肋骨を上に挙げる働きをします。この斜角筋が緊張することで神経と血管が圧迫され、疼痛を引き起こします。
小胸筋症候群(過外転症候群)
小胸筋は胸の前にある筋肉で第3、第4、第5肋骨から肩甲骨の烏口突起という部分に付着しており、肩甲骨を前に出したり、息を吸う時に肋骨を引き上げたり、呼吸を助ける働きをしています。この小胸筋の下を神経と血管が通っているため、小胸筋が過緊張することにより、神経や血管が圧迫されて痛みや痺れが引き起こされます。はじめは肩こり程度に感じられますが、徐々に指先や手の痺れ、だるさ、冷えなども表れます。小胸筋症候群の原因としては姿勢不良(猫背)も挙げられます。
頚肋症候群(先天的)
頚肋は胎生期の下位頚椎から出ている肋骨の遺残したもので、その確率は0.5%と言われます。通常の肋骨は第7頚椎の次に繋がっている第1胸椎の関節部分から始まりますが、頚肋骨がみられる場合は第7頚椎、時には第六頚椎からもう1本の肋骨が発し、鎖骨下動脈や静脈、腕神経叢を圧迫する原因になると考えられます。症状としては、前腕および手の痛み、痺れが小指側に偏っていることが特徴です。
胸郭出口症候群は、一般整形外科領域の中で決定的な診断法がないため、治療も適切に行われていないのが現状です。その原因としては、頚椎から肩、上肢におよぶ症状を呈しているため、頚椎疾患、肩の疾患との鑑別が難しいこと、そしてDouble lesionといい、頚椎と肩、頚椎と上肢というように、2つの原因が重なり合っている場合が多いということもあります。
今後もスマートデバイスなど、ITの発展は留まることなく進歩しつづけるでしょう。そんな中で思いもよらない痛みや不調に悩まされることになります。スマートフォンの利用は手の周辺を駆使することにより、手や腕の直接的な症状の発生、さらには間接的に姿勢のくずれを招き、肩こりや腰痛、それに伴うであろう頭痛や不定愁訴の発生が考えられます。これらの因果関係は明確にされていないものの、近年、こうした自覚症状が増加の一途をたどっていることも事実です。
昨日のニュースを見ていると、ここ一週間でインフルエンザの患者さんが倍増しているそうです。受験シーズンを迎えるのにイヤですね。昨年の秋に今シーズンはインフルエンザの流行がありそうとアナウンスがありましたが、本当なんですね。
コロナでも同じですが、同じ部屋にいても感染する人としない人がいます。その違いはその時の免疫力です。体に疲労が残り、その上摂取する栄養も貧弱では感染してくださいと言うようなものです。
私の診察での経験からでは、肩凝りが常にあって、睡眠時間も短い、ストレスが多い、冷える、このような条件がいくつかあると感染しやすくなります。
肩凝りや背中の強張りも日頃から放置するのではなく、早めにケアすることで自律神経の働きが良くなり免疫力が上がってきます。早めの治療がお勧めです。
最近、やたらと肩が凝る、首が痛い、腕が痺れるなどの症状があり、それが長くに亘って続くことがあります。原因としては年齢による頚椎の変形であることが多いです。
発症年齢は30代以降です。加齢が原因となりますので、50~60代に起こりやすいです。
原因は加齢による頚椎の変形や、頚椎の間にある椎間板の摩耗であることが多いです。つまり誰でも起こる症状です(沢山の人を検査すると症状のある人、ない人でも変形や椎間板の摩耗はあります)。
〇症 状
症状としては、肩凝り、首の痛み、背中の痛みから、腕の痛み・指の痺れまであります。腕・指の痛み痺れが出る場合には神経が刺激されて炎症を起こしています。症状の強さは頚椎の変形度合い、椎間板の傷み具合と関係なく、神経の圧迫が軽い状態でも激烈であることもありますし、反対に圧迫が強い場合でも症状が軽いこともあります。喉の嗽(うがい)をする姿勢をとると痛みが出てくることが特徴です。
〇経 過
ほとんどの場合、手術せずに症状はなくなります。骨の変形や椎間板ヘルニアが消えるわけではありませんが、神経の腫れがひくと痛み・痺れはなくなります。
〇医療機関での治療
医療機関(整形外科等)では鎮痛剤・湿布薬、強い痛みがある場合にはブロック注射を行います。痛みを和らげて神経の腫れが自然に引くのを待ちます。
〇当院での治療
鍼通電を行い神経のを和らげます。鍼通電には消炎効果が期待できます。また、強張った筋肉・筋膜の緊張を緩和します。当院で行っている筋膜療法は専用の器具を用いたもので、スポーツ選手のケガを早く回復させることを目的として開発された治療法です。
当院ではこのような症例をよく見ていますので、その後どのように回復するか、いまこの症状ではどの程度神経が傷んでいるか説明できます。その状態に合わせた鍼の刺激を使い分け、早く回復することができます。
今の冬の時期、肩凝りを強く感ずる人が多いです。また、寝違ええのような首の痛みを訴える人もちょくちょくいらっしゃいます。
冬場は屋外と屋内との寒暖差が激しく、部屋を出入りするだけで、知らずに首・肩に力が入ってます。それにより肩凝りが強く感ずるようになります。
肩凝りの主な原因は、①姿勢不良 ➁加齢による脊椎周囲の摩耗 ③精神的・環境的ストレス があげられます。
そのなかで、みなさん一番気づいていらっしゃらないのが、③の精神的・環境的ストレスです。
ここで面白い論文データーがあります。肩凝りを訴えている人を対象に肩の筋肉の硬さと症状の強さを比較したものです。肩の筋肉の硬さは硬度計と言う計測器によって測られました。その結果、肩凝りの症状の強さと筋肉の硬さとの間には関連性はなかったということです。
私の過去の経験でも同じです。首・肩を触ってみてそんなに硬いわけではないのに、頭痛が起きたり佩き毛がするほど強い肩凝りを感じている人がいます。一方、筋肉を触ってみるとかなり硬くなっているのに症状はほとんどない人もいます。
ではなぜ肩凝りを感じたり感じなかったりするかと言うと、そこには③のストレスが関係しているのです。私自身の経験でもそうですし、皆さんもなんとなく感じているでしょうが、嫌なことがあったりとストレスを感じた時、そんな時は肩凝りを強く感じます。
このストレスは精神的以外のことでもあります。暑いとか寒いとか、メンタル面では本当はしたくないのにしなければいけないとか、これもストレスです。
このように分かりやすいストレスであれば良いのですが、なかには自覚できないストレスもあります。
人間の行動・感情には「理想」と「現実」があります。その間にギャップが大きいとストレスとなってくるのですが、常に感じているとストレスを感ずるのが当たり前になって来て自覚できなくなります。
ストレスを感じ続けると脳が常に緊張を起こします。緊張した脳では自律神経の中の交感神経が興奮し、痛みを感じやすくなります。本来なら1レベルの痛みの信号を7や8レベルに感ずるようになります。
私の治療場面ではこのような状態で肩凝りを感じている人と多く遭遇します。実際にある会社の社員を対象に、肩凝りを感じる人と感じない人をいろいろ調査して比較したところ、肩凝りを感ずる人は自覚ストレス度、不安度が高く、精神的にストレスが多いことがわかりました。また、生活の質も低い傾向であることも分かったそうです。
首・肩の凝り、痛みの治療では、そのような感情を理解することが大変重要になります。同じ仕事をしている人、同じ環境にいる人でも、肩凝りを感ずる人と感じない人との違いは、いかにストレスを消化しているかによるでしょう。感じない人は心の切り替えやストレス解消が出来ている人です。
肩凝りの解消には、しっかりと運動をして首・肩の血流をよくすることも大事ですが、一方で自分自身の受けているストレスを見直すことが解消の手立てとなります。
まだまだ巷では新型コロナウィルスの流行が続いていますが、現在のオミクロン株では重症化率は下がり、3年前のような状況ではありません。専門家の話では、このまま更に弱毒化していき、他のコロナウィルスのように普通の風邪の病原体になっていくようです。
さて、当院では昨年(令和4年)7名のコロナウィルス感染後遺症を訴える方が来院されました。どの方も感染後、なかなか回復せずいろいろと医療機関を受診したりしていたようです。しかし思うように結果が得られずネット情報や、知り合いから鍼灸だと回復するのではとアドバイスされ来院したようです。症状は、倦怠感、不眠症、抑鬱感、体の痛み、食欲不振、息苦しいなどでした。発症時の状況をお聞きすると、二三日から数日間高熱が出て、他の症状も比較的強かったようです。
昨年12月に大阪府豊中市から感染者約4000名後遺症の報告が発表され、それについて大阪大学医学部 感染制御学 教授の忽那賢志先生が解説されています。忽那賢志先生の解説でも、やはり発症初期に比較的重い症状の方に後遺症が出ているようです。また感染者20人に1人は発症後1カ月経過してもなんらかの後遺症が残っていると報告されています。
なぜ、起こるかと言うことについてはまだハッキリとした理由は分かっていないようですが、忽那先生の解説によれば
・ウイルスの持続感染 ・ウイルスによる組織障害 ・自己免疫反応 ・常在細菌叢の多様性の低下 ・集中治療後症候群(PICS) |
が重なりあって起こっているようです。
ウィルスの感染が血管・神経・粘膜などの組織を障害し、それの回復に時間がかかっているようです。
さて、当院で治療を行った方々ですが、落ちた体力を回復させ、またそれぞれの症状に対する治療を行ったところ、どの方も普段の生活に戻れるようになりました。症状の重い方は少し治療日数がかかったものの、2か月目には仕事へ復帰されました。
オミクロン株流行後はほとんどは風邪と同じような症状で、ワクチン接種を行っていれば恐れることはなくなりましたが、中にはこのような後遺症で悩むこともありますので、今後とも基本的なウガイ・手洗いで感染予防していくことが大事です。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて、日本における抗体陽性率の調査結果が報告されています。
この結果からは、日本に住む約4人に1人、沖縄県の約2人に1人、大阪もそれに近い感染者数、京都府は3人に1人がこれまでに新型コロナに感染しているということになります。
今回の調査は、「過去に新型コロナに感染したことがある人」を調査することを目的に2022年11月に日本赤十字社で献血した16歳〜69歳の8260名を対象に、新型コロナのN抗体という抗体が測定されたと言うことです。
また、地域によって感染者数の増加にはばらつきはあるようです。沖縄県では10月以降わずかな増加になっていますが、抗体陽性率の低い長野県ではかなり増えています。新型コロナウイルス感染は身近なものになっています。
では海外のこれまでの感染状況はと言うと、イギリスでは新型コロナのN抗体陽性率は8割を超えておりつまり8割の人が感染していることになります。テレビなどで生活状況を見るとコロナ前に戻っており、マスクなしの生活を送っていますし、もうコロナ感染のニュースを見かけません。
日本においてそのような生活の戻れるのは、抗体陽性率がある程度高くなる必要があり、それにはあともう少しと時間が必要でしょうか。
関西とくに大阪には安土桃山時代から、子供の健康維持、発育のために小児ハリということをやっていました。なぜ、過去形かと言いますと、今では大阪も核家族化が進行して毎月のように子供さんを鍼灸院へ連れて行くという風習はなくなってきたようです。
私が見習いをしていたウン十年前までは、月に3〜5日間、毎月同じ顔触れの子供たちが小児ハリに通っていました。毎日、20〜30人は来院してました。この子たちはだいたい生後3か月頃からお祖母ちゃん、お母さんに連れられて来ています。そうやって、風邪をひいたと言っては鍼、夜泣きをするからと言っては鍼、甘い物ばかり好んでご飯を食べないと言っては鍼、水物ばかり飲むと言っては鍼、キーキー言って機嫌が悪いと言っては鍼、もっと専門的には熱性けいれん(俗にひきつけ)をちょくちょく起こすと言っては鍼にきていました。そのような風習と言うか、お祖母ちゃん、お母さんからのアドバイスがずっと昔からあり続いていると言った感じでした。そしてお祖母ちゃん、お母さん、子供さんと三代にわたって体を診させていただいてました。
ここ北陸ではそういう風習はありませんでしたから、ウチの院では続きませんでしたが、ここ最近は時々、子供が夜泣きをすると言って連れていらっしゃるお母さんがいます。
子供の夜泣きは現代医学では説明がつきませんよね。かと言って育児ビギナーのお母さん方にとっては重要な悩みです。近頃は夜泣きを含めて、理解しづらい子供の泣きを「ギャン泣き」と言うそうですが。子供、特に新生児では自分から喋って意思の疎通を図ることはできませんから、何かを訴えて泣いているわけです。大人だってイライラするし、興奮して眠られない夜もあるし、環境が変われば気を使って疲れますし、イロイロあります。それを泣いて訴えているわけです。
また、成長に伴って我も出てきます。あれもしたい、これもしたいと知恵が出て来るのですが、それに体の成長がついていかないから、イライラする。そういったことも含めて、子供の不調を「カン虫」と言います(と言うか、正式な定義はないので私はそのように解釈しています)。
「カン虫」には小児ハリは良く効きます。ハリと言っても大人にする鍼(毫鍼)とは違って、専用の道具で皮膚を突いたり擦ったりします。先は丸くなっており皮膚を傷つけることはありませんし、痛みもありません。慣れ来ると子供さんのほうから「トントンしたい」とせがむようになってきます。子供さんも体が楽になるのを分かっているんですよね。もし、子供さんのこのような症状でお困りの場合は、どうぞ受けてみてください。
先日、バレーボールをしている女性の肉離れを診ることがありました。
急に後ろに体重移動したところフクラハギ(腓腹筋部)に痛みが来たとのことでした。
成人のスポーツ愛好家にはよくあることで、青年期には大腿部、成人になると腓腹筋部に肉離れが起き易くなります。
待合室からベッドまでは片足でトントンと入って来てかなり痛みがあるようです。
軽く手て触れてみると強い痛みがありました。
非接触性温度計で図ると熱はもっていないようです。
初日は患部を中心に鍼を軽く行い、その後に患部の浮腫みを取ることを目的に筋膜スリックを行いました。
翌日、来院されるとかなり痛みが和らぎ、触れても痛みはなくなっていました。
足を着いての歩行もできます。
3日目には普通に歩行できるまで回復しました。
その後も治療を続け、2週間後には速足でウォーキングが出来るまでに回復です。
あらためて鍼と筋膜スリック療法の威力にビックリしました。
特に筋膜スリック療法で表面の筋膜へのアプローチが効果的だった印象です。
ファシアの動きと浮腫を改善することで固有受容器の痛みの感受性が下がってきます。
また筋組織の修復も良くなります。
新型コロナウィルス感染後、回復したあとも倦怠感が続くTさんが鍼灸施術で症状が消えた症例を報告します。
Tさん:36歳 女性 主婦
主訴:倦怠感・食欲不振・不眠ぎみ
1月下旬に新型コロナウィルスに感染し発熱と喉の痛み・咳・倦怠感の症状があった。熱は38度5分が3日間続いた。その後、1週間ほどで大概の症状はなくなったが、倦怠感・食欲不振が残って続いている。また夜もあまり眠られなくなった。内科からは精神安定剤が処方されている。
身体を診ると全身的に筋緊張が見られ、特に頭部には精神的ストレスの反応が見られた。
全身の筋緊張緩和・自律神経調整を目的とした鍼灸施術を行うこととした。
初回の施術ではあまり変化は見られませんでした。2回目の施術翌日は倦怠感が少しなくなりました。食欲も少し出てきました。5回目の施術で倦怠感はなくなり、夜も眠られるようになり、精神安定剤の服用もしなくてよくなりました。
初診時の身体にみられた筋緊張は施術毎に改善していきました。それと同時に愁訴の倦怠感・食欲不振・睡眠障害も回復して行きました。
今回は、身体の緊張感を緩め、自律神経系へ働きかけるように鍼施術を行いました。その結果、Tさんの症状が回復して行ったと考えます。
新型コロナウィルス感染後、このような後遺症に悩んでいる方は多いと聞きます。
新型コロナウィルス感染で症状が出た場合、重症であれ軽症であっても、抑うつ症状を呈すると言う論文報告があります。
新型コロナの約10人に1人が、後遺症として「倦怠感」や「ブレインフォグ」(脳に霧がかかったような状態)を発症します。
中枢神経系における主な原因として
先日の投稿から、更にオミクロン株の感染が拡大して、石川県でも500人越えとなった。
特に金沢市周辺が酷い。
今回は、子供への感染が多いようで、こども園・小学校等では対応が大変だろうと思う。
それにともない、保護者も苦慮していることだろう。
しかし重症者はいないのである。
全国的にも感染者数に対する重症者数の割合は小さい。
ウィルスもだんだんと弱毒化してるようだ。
まだまだ熱が出たり、のどが痛かったりの症状はあるだろうが、普通の風邪に近づいている。
また、潜伏期間も2〜3日ほどと縮まっている。
濃厚接触者の隔離期間も7日間となりそうだ。
これまで通り、ウガイ・手洗い・換気を心掛け、三密をさけるようにして、感染を防がねばならない。
ここにきて石川県も新型コロナの感染が拡大しています。
昨日は110人越えとなっています。
全国の感染者数も3万人越えです。
十八府県で過去最多を更新しています。
今後、世の中がどうなって行くのか不安になるところです。
重症者数・死亡者数を見ると以前ほどには多くなく、現在の変異株(オミクロン株)は弱毒化しているのではないでしょうか?
既に昨年に第六波が来ているフランス・ドイツなどのヨーロッパの国々では隔離期間が短くなっています。
フランスの対応は下記の通りです。
「椎間板ヘルニアの治療統計その1」の続きです。
治癒された患者様が、治癒までにどれぐらいかかったと言うデータです。 治癒の判断は、日常生活に支障なく、仕事にも復帰された状態で判断しました。軽い肩凝り感や弱い痺れ感が残っているケースもあります。
2週間未満の患者様は4名(14%)、3週間未満が8名(28%)、4週間未満が7名(24%)、5週間以上が10名(34%)となっています。なお、この数字は、来院から治癒に至るまでの期間の統計ですので、発病から治癒までの期間は検討されておりませんのでご理解ください。
いずれにしても、昨年の頸椎・腰椎椎間板ヘルニアと思われる患者様を治療し、上記のような結果を得ることができました。今後は、発病からの治癒までの期間、鍼灸治療の頻度と治癒率、治癒までの日数、鍼灸を行うまでの治療の種類、投薬との併用など検討していく必要があります。
昨年(令和3年)の頸椎・腰椎椎間板ヘルニアの統計です。
昨年度は44名の頸椎・腰椎椎間板ヘルニアの患者様が来院されました。そのうち治癒されたのは、29名、症状が改善されたのは7名、脱落されたのは8名です(症状に変化がなく中断された方も含めます)。
次に発病から来院までの期間です。
発病より10日以内の来院が7名、1ヶ月以内の来院が15名、3ヶ月以内の来院が8名、6ヶ月以内の来院が6名、1年以内の来院が3名、1年以上過ぎてからの来院は5名でした。
発病から来院されるまでは、みなさん医療機関で投薬・TP注射、マッサージなどの治療を受けています。
10月はじめより施術を開始した腰椎椎間板ヘルニアの患者さんの事で。
8月はじめより左側腰部から大腿部・下腿外側部が痛く、足の甲部にも痺れがあります。
何より下肢の痛みが大変強く、痛い方の足に体重がかかると電撃痛が走り、普通に歩くことがままならない状態でした。
歩く時には膝に手をついてユックリユックリと足を引きずりながら歩いていました。
整形外科には8月より通院しMRI撮影にて腰椎椎間板ヘルニアを指摘されました。
その後、1週間に1度ブロック注射を行い、神経の炎症を抑えるタリージェも最高量を服用していましたが、全く効果が見られない状態が続いていました。
10月はじめに当院に来院されましたが、ベッドまでやっと辿り着く状態でした。
患者さんには神経の炎症が痛みの原因であること、鍼灸施術を行うことによりヘルニア周辺の血流が良くなり神経の炎症が無くなること、また場合によっては飛び出したヘルニアが吸収されることを説明しました。
その後、10月24日までできる限り毎日施術(日曜日を除く)を行い、症状が少し和らいできた後は隔日、その後、週に2回と徐々に施術間隔を空けていきました。
10月20日過ぎまでは全くと言って症状に変化はありませんでした。
しかし、その後は徐々に歩行時の電撃的な痛みが無くなり、痛みは弱くなって行きました。
現在(11月19日時点)は、全く痛みがないわけではありませんが、散歩できる状況まで改善しています。
まったく痛みが無くなるにはもう少しかかるとは思いますが、患者さんもビックリするぐらい痛みは弱くなっています。
今回は久しぶりに強烈な痛みの患者さんでしたので、ご紹介いたしました。
よく患者様から訊かれることですが
飛び出したヘルニア(椎間板)は引っ込むのかと言うことです。
結果から言いますと、引っ込むことが多いです。
それも大きく飛び出しほど引っ込みやすくなります。
下に腰椎椎間板ヘルニアのガイドラインのリンクを貼っておきましたが
そのなかでも時間経過とともに引っ込むと書かれています。
またJSTAGEと言って、論文が検索閲覧できるサイトがあるのですが、ここでも椎間板ヘルニア・脊椎疾患に関する論文を見ていくと大きく飛び出したヘルニアは消えて行くと書いてあります。
飛び出した椎間板はマクロファージをはじめとしたリンパ球により吸収されて行きます。
よほど痛みが強い、麻痺症状が出る、排尿障害(オシッコが我慢できなくなるなど)が無ければ保存療法で対応できます。
鍼灸施術では血流が良くなり、このマクロファージの働きを促進することを目的に行っています。
また消炎作用により炎症が起きた神経の興奮を鎮めて行きます。
現在、何人かの方が不妊症で来院されてますので、今回は妊活についてのお話です。
女性の排卵から妊娠にいたるまでに関与するホルモンにはいくつかあります。
ホルモンの働きは少し分かりづらいのですが理解しておくと、婦人科や不妊専門医療機関へ行かれた時に役に立ちます。
妊娠までの過程で関与するホルモンは、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞ホルモン、黄体ホルモンがあります。
そのうち、卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンは、どちらも脳にある下垂体から出て生殖機能を促進します。
卵胞刺激ホルモン(FSH)は、卵巣を刺激して未熟だった卵子の成熟を促します。そして成熟した卵子は受精に備えるわけです。また卵胞からの卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌も促します。
黄体形成ホルモン(LH)は卵巣にはたらきかけて成熟した卵子の排出を誘発し、排卵が起こった後の卵胞(卵子が成熟する袋)を黄体化してプロゲステロン(女性ホルモンの一種)の分泌を促す作用を持ちます。
次に、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は卵胞から分泌され、卵子の成熟が高まるのと合わせて子宮内膜を厚くし妊娠に備えます。
黄体ホルモン(プロゲステロン)は黄体から分泌され、卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きによって厚くなった子宮内膜を柔らかく維持して、妊娠しやすい状態にします。着床しなければ子宮内膜が剥がれ月経となって体外へと排出されます。
以上のように4つのホルモンの働きで妊娠へと導かれるのです。
下に分かりやすいように月経周期でのホルモンの働きについてまとめました。
月経周期 | 各期間でのホルモンの働き |
---|---|
卵胞期 | 脳下垂体からのFSHが出て卵巣内で卵胞が育ち、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増加。子宮内膜が厚くなっていく。 |
排卵期 | 卵胞が十分に育つとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が最大に。脳下垂体からのLHにより排卵の指令がきて卵胞から卵子が放出される。 |
黄体期 | 排卵を終えた卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンを分泌し、厚くなった子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に。また、基礎体温が上昇する。 |
月 経 | 受精卵が着床しなかった場合(妊娠が不成立)、 厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、月経として体外に排出される。 |
ホルモン量は多くても少なくても良くありません。これらのホルモンはフィードバックと言って、濃度が高くなると分泌を命令していたホルモンの排出が抑えられるようになります。例えば、卵胞ホルモンの量がある一定量以上多くなると卵胞刺激ホルモンの量が抑えられると言うように。
このようにして各期間のホルモン量を加減しています。
この中で大事なのは、脳下垂体から放出される卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンです。もともとが脳からの命令により起こっている周期(サイクル)ですから、精神的ストレス、環境からのストレスにより正常に働かなくことは屡々みられます。
産後はこれまでの生活とは大きく環境が変わるため、いろいろな身体の不調を感じやすくなります。
原因としては、
これだけでなく、これまでの主婦の仕事プラス育児となるので、精神的にも肉体的にも負担が大きくなります。
さらに、旦那さんが育児・家事に協力的かどうか、子供の健康面、周囲の人間環境など、様々な問題がのしかかってきます。
出産は女性にとって大きな喜びではあるのですが、それとともに体調を崩しやすい時期でもあるのです。
今回は、そのなかで、当院によく来院される手の痛みについて考えてみましょう。
日本助産学会誌(2017 年 31 巻 1 号)に「産後女性の手や手首の痛みと関連要因」と言う論文が掲載されています。
この論文は、産後1年未満の女性876人に調査を行い、回答を得られた514名の結果をまとめたものです。
この論文では、
産後女性の3人に1人は手や手首の痛みを経験し,痛みの多くは産後1か月から2か月に出現している
年齢が高く,初産婦で,手や手首の痛みの既往がある産後の女性では,手や手首の痛みに注意する必要がある
と言っています。
産後に手や手首の痛みを感ずる女性はかなり多くいると言うことです。
しかし、育児に忙しく医療機関を受診することが出来ない、受診できたとしても授乳により服薬できない、等の理由でそのまま放置と言う例がしばしば見られます。
育児中の手・手首の痛みは、手の使い過ぎとホルモン変化による浮腫みによって起こっています。
当院では、産後の手の痛みの改善に、鍼灸とファシアスリックテクニック(筋膜リリース)を行っています。
鍼灸施術により全身の血流促進・自律神経調整を行い、また患部への施術で筋・腱の炎症を鎮めます。
また、ファシアスリックテクニックにて筋・腱の凝り・浮腫みを解消していきます。
鍼灸・ファシアスリックテクニック(筋膜リリース)ともに副作用は殆どなく、妊娠・授乳期間でも安心して受けていただくことができます。
中高年で膝が痛いと言う患者さんには、膝を診ると水がたまっていることがあります。
なぜ膝に水が溜まるのでしょうか?
まず、膝関節の基本構造ですが、骨と骨とが関節を作る際、接触する面は軟骨組織で覆われています(骨の先端ですね)。
そしてこの軟骨はコラーゲン組織(プロテオグリカンと言う物質)でできています。また多くのヒアルロン酸も含んでいます。ヒアルロン酸は水分を多く含む性質があります。
また関節は関節包と言う袋状のもので覆われて関節腔という空間を作っています。その関節腔はヒアルロン酸を主成分とした液体によって満たされていて、軟骨を保護し関節がスムーズに動くようにしています。ヒアルロン酸は関節軟骨と同じ成分のもので、関節軟骨から分泌されています。
関節包の内側は滑膜という組織で覆われています。滑膜は神経や血管が豊富に分布しています。
中高年の関節腔では長年のすり減りによる軟骨組織の粉(軟骨片)が漂い、それが滑膜組織に附着し、そこで免疫反応によって炎症が起こってきます。
滑膜は神経が豊富に分布していますので、炎症が起こると痛みを感じます。また炎症が起こると滑膜の血管壁が開き、液体成分が関節腔に染み出てきて、滑液包が膨れてきます。これが「膝に水がたまる」という現象です。
当院では、鍼灸施術により消炎を図り、また器具を用いた筋膜リリース施術により緊張した膝周囲の筋肉を緩めていきます。
膝に水がたまって困っている方は、是非ともご相談ください。
今回は頸椎椎間板ヘルニアが原因で背中と腕が痛く寝られなかったのが 、鍼施術で症状が軽減したHさんの事例を報告します。
Hさん:50歳 男性 事務職
主訴:左側肩と背中、左上肢の強い痛み
昨年秋ごろより左側首肩に寝違いのような痛みが続いていた。そんなに強い症状ではなかったのでそのまま様子を見ていたが、2月に入ったある日、起床すると強い寝違えの痛みに変わり、その二日後から背中から肘ぐらいにかけて強く痛くなり、痛みで眠られなくなった。日中も痛みが強く仕事に支障が出るようになってきた。整形外科で頚部のMRI撮影を行うと、首の2か所に椎間板の軽い飛び出しがあると言われた。手術するほどの突出ではないとの診断だった。暫くリリカを処方され様子を見ていたがあまり痛みに変化はなかった。
頚部の低周波鍼通電と、肩背部・上肢の置鍼、 20回
施術開始はじめの頃は施術後痛みが少し和らぎましたが、すぐに戻りました。施術が10回を過ぎるころから症状の戻りも少なくなり、徐々に痛みが和らいできました。
特に痛みで眠られないことが困ったことでしたが、これも枕の高さを調整するようにアドバイスし工夫をしたところ幾分か眠られるようになって来ました。日中の仕事中も辛い痛みが続きましたが、徐々に回復し、軽い凝り感ぐらいに改善しました。
Hさんの痛みは、明らかに頚部から出た神経が刺激されて出ているものでした。首を傾けたり反らしたりすると神経の出口が狭くなり神経を刺激しやすいのですが、こう言った姿勢で症状が強くなりました。治療は、鍼施術により神経根周囲の血流改善から消炎されることを目的に頚部への低周波鍼通電を、また肩背部・上腕の筋緊張緩和を目的に置鍼を行いました。
神経の炎症による痛みは施術後すぐには改善しませんが、施術を継続することで症状が改善していきます。
膝関節の半月板損傷による関節痛が、鍼灸施術と筋膜リリースで症状がなくなったIさんの事例を報告します。
Iさん:46歳 女性 会社員
主訴:右側膝関節内側の痛み
20代の頃よりテニスをしているが、3ヶ月前にプレー中にボールを打った際に右膝内側に痛みを感じた。その直後、歩くと痛みがあり、少し曲げると痛い。
整形外科を受診しMRI撮影にて半月板損傷を指摘された。痛み止めと湿布薬が処方され、週1回の頻度で通院してヒアルロン酸の注射を受けていた。最初の頃より痛みは減ったが、歩行時痛はあり、深く曲げると痛みがある。また動き過ぎると関節が腫れて来る。最近は膝の後ろ側にも痛みを感ずる。
膝関節は少し熱感があり炎症がまだ残っていることがうかがえる。関節可動域は深く曲げた時と完全伸展時に少し痛みとやや制限がある。
膝関節の消炎と筋緊張緩和を目的とした鍼灸施術
大腿部・下腿部に筋膜リリース(ファシアスリックテクニック)
また、暫くテニスや運動をお休みしていただくことをお願いした。
膝関節のエクササイズを指導し自宅でも積極的に関節可動域獲得のための運動をお願いした。
初回の施術では症状にはあまり変化は見られませんでしたが、数回施術したころから歩行時痛はやわらぎ、8回目の施術時にはある程度曲げても痛みを感じなくなりました。日常生活では殆ど問題ないレベルまで回復しました。Iさんの膝関節痛は、発症直後は半月板損傷が原因していたのですが、その後は痛みを庇うようにあまり動かさなかったこともあり、関節周囲の筋・筋膜が硬くなり関節の動きが悪くなっていました。
膝関節の周囲には筋・筋膜・靭帯など軟部組織が関節を支えています。その部分が硬くなることで関節の可動域に影響が及んだり、痛みの原因になっています。
膝を深く曲げたり、伸ばしたりしても内側には痛みはあまりなく、半月板の影響はないようでした。
鍼灸施術により膝関節周囲の筋緊張が緩み、痛みと動きが良くなったと推察します。
また消炎効果を求めて施術したことで徐々に炎症も和らいできたようです。
膝関節周囲の筋・筋膜にに筋膜リリースを行い、筋膜の動きをよくしたことで膝関節の動きが良くなりました。深く曲げてもツッパリ感がなくなりました。
それを予防するためにも症状がなくなった後に定期的に施術されると、自宅でのエクササイズをお勧めしました。
今回は雪かきが原因と思われる右肩関節痛が、鍼灸施術と筋膜リリースで症状がなくなったHさんの事例を報告します。
Hさん:58歳 男性 工員
主訴:右側肩関節痛・右側肩甲間部の痛み
以前より慢性的に右側肩甲間部の凝り感があり、日によって強くなったり弱くなったりしている。時には寝ていて痛むこともある。先日の大雪でまら2日間雪かきをした。途中から右肩関節に違和感を感じていたが、3日目は腕を挙げると痛みがあり、十分挙げることが出来なくなっていた。腕を動かさなくてもズーンとした鈍痛があり、動かせば右肩関節に痛みがある。また夜間痛もある。
頚肩部・背部・肩関節周囲への鍼術 7回
肩関節周囲の圧痛の強い場所に施灸 7回
肩甲間部・肩甲部に筋膜リリース(ファシアスリックテクニック) 7回
1回目の施術後、背部肩甲間部の鈍痛・凝り感が和らいだ。
4回目来院時には肩関節を動かしても痛みが弱くなっていた。
6回目来院時には肩甲間部の違和感もなくなり、肩関節は腕を挙げても違和感を感ずる程度まで回復していた。
8回目来院時には肩関節・肩甲間部ともに違和感もなくなっていた。
Hさんの肩関節痛は、少し可動制限があるものの、ある程度自力で腕を挙げられるほどでした。急激な肩関節の使用で、筋・筋膜等に炎症が起こったものと判断しました。
肩甲間部の凝り感・鈍痛は、長年の力仕事の疲労が蓄積し肩甲骨の動きが悪くなっていたのが原因ではないかと判断しました。
肩関節の動く角度の三分の一は肩甲骨の動きです。
肩甲骨の動きが悪くなれば肩関節そのものに負担がかかるようになって来ます。
スポーツ競技でも肩甲骨の動きを強調しているのはそう言いうことです、肩甲骨が動くようになると故障も起きにくくパフォーマンスも上がってくるわけです。
鍼灸施術により肩関節部・肩甲間部の筋緊張が緩み、痛みと動きが良くなったと推察します。
肩甲骨周囲に筋膜リリースを行い、筋膜の動きをよくしたことで肩関節の動きが良くなりました。
肩関節周辺と肩甲間部両方の動きが良くなって痛みが和らいだと推察します。
年齢を考えると肩関節の軟骨・筋等の老化も考えられ、今後も無理をすると痛みが出て来る可能性があります。
それを予防するためにも症状がなくなった後に定期的に施術されると良いことを説明させていただきました。
今回は慢性的な肩凝りが原因と考えられる筋緊張型頭痛 が、鍼施術で8から1に変化したYさんの事例を報告します。
Yさん:42歳 女性 事務職
主訴:右側の後頭部から頭頂部の頭痛・右側頚肩凝り
以前より慢性的に右側頚肩部の凝り感があり、日によって強くなったり弱くなったりしている。頭痛も月に1〜2回あり、いつも右側後頭部から頭頂部にかけてズーンと重い頭痛が起こる。
頚肩部・背部への置鍼術 2回
2回の鍼施術の結果、痛みがから8〜1へと下がりました。
1回目の施術後、頭痛なくなり違和感が残っていた。2回目来院時には頚肩の凝り感が少し残っている感じでした。
Yさんの頭痛は、ズーンと重い感じであり、血管の拍動のような痛みではないこと、月に1〜2回と定期的に起こっていることから筋緊張性頭痛と判断しました。筋緊張性頭痛には鍼施術はとても効果的であり、そのようにYさんにも施術効果を説明いたしました。
鍼施術により頚肩背部の筋緊張が緩み、後頭部から出ている後頭神経の絞扼もなくなったことにより頭痛が解消されたと考察します。
12月に入りかなり気温が下がってきました。それとともに痛みや他の症状を持つ方の状態が悪くなってくる場合もありますので、身体の冷えには注意が必要です。
お灸開始から約2週間、10下旬に一度寒気により冷え込みました。手はなんら問題なかったのですが、足の指が赤紫色になり痒みが出て来ました。本人は手にシモヤケが出てこないだけでもかなり喜んでいましたが、こちらは責任を感じてました。足の灸点を訂正して、また家で続けて貰うことにしました。
その後、1週間毎に確認していますが、足の具合もほとんど良くなっています。今は足拇指が爪から先にかけて赤みがあります。それで先日、来院された時には爪の上にも半米粒大の艾を乗せて3壮(3回と言う意味)しました。ところがここはお灸をすると飛び上がるほどあつい場所なのに熱くないらしいです。知らん顔をしています。非常に血流が悪くなっている様子です。今後、これを家で続けて貰いどのように変化してくるのか楽しみです。
ところで、お灸に使ったツボですが、手は曲池穴・手三里穴・四穴、足は足三里穴・三陰交穴・行間穴を取りました。ただ教科書に書いてあるような、ここから○寸、○cmと言う通り一遍の取り方ではなく、押圧してズーンと響き指先にも違和感のある場所です。たぶんこれで今冬はシモヤケで悩むことはないだろうと思います。
今回は、1回の施術で劇的改善した膝関節痛のSさんの事例を報告します。
Sさん:71歳 男性 退職中
主訴:右膝関節の痛み(特に内側)
以前より右側膝関節内側に痛みを感じていたが一ヶ月前から急に痛みが強くなり、歩行時に痛む。また膝を深く曲げると痛みがある。特に階段を降りる際には強く痛む。ここ数年パークゴルフを一生懸命やっているので、それが原因かなあとも思う。I病院整形外科を受診しレントゲン撮影を行ったが異常はなく、注射をした。主治医からは痛かったらまた来てくださいと言われたが、痛みに変化がなく、効果がないのに注射を打つのには
右側膝関節内側の圧痛部と関節周囲の筋緊張が強い部に置鍼術と圧痛部にゴマ粒大の施灸 1回
1回の鍼施術の結果、痛みが8から1へと下がりました。
歩行時の痛みが施術後から消えました。
Sさんの待合室からベッドまで歩く様子を見ていたが明らかに足を引きずる感じである。ベッド上に寝ていただき膝関節を見ると熱感も腫脹もない。やや内側のハムストリングか内側側副靭帯と思われる箇所に腫れっぽい感じがあり、指で軽く触って膝関節周囲で圧痛を探していると、ちょうど先ほどの腫れっぽい箇所と一致して強い圧痛がある。深く屈曲した時と、膝関節90度屈曲にて外旋させると強い痛みを感ずる。半月板損傷でみられるマクマレーテストでは痛みの誘発はなかった。
以上のことから関節そのものには炎症はなく、圧痛部位や痛みを感じる膝の動き等から考えると内側側副靭帯の軽度の炎症と考えられます。
鍼治療の効果については、圧痛のある部位に置鍼術と施灸を加えることで即効的に筋・筋膜の緊張が緩んだと考察しました。
Sさんには痛みの原因をできるだけ詳しく説明しました。また、施術から治癒までの期間も提示しました。Sさんは整形外科では異常がないと言われたのに痛みがあることへの不安と、異常がないのに注射を繰り返すことへの疑問がありました。 整形外科等を受診しても異常がないですよと言われても、実際に痛みがあるのになぁと言うことは、よくあります。そういった点には患者さんも不安と不満を感じています。
今回は転倒により腰を捻じって筋肉・筋膜を傷めたのが原因と考えられる腰の痛みが鍼施術で10から3に変化したMさんの事例を報告します。
Mさん:52歳 男性 事務職
主訴:両側の腰の痛み(特に外側)
約10日前に梯子から転倒し、その際に尻餅をついて臀部を打った。その直後から腰に痛みが出てきて、曲げ伸ばしをすると痛むようになった。特に胡坐をかくと痛くてできない。
低周波鍼通電 3回
3回の鍼施術の結果、痛みが10から3へと下がりました。
運転中に違和感・鈍痛を感ずる程度まで改善しています。
Mさんから受傷状況を聞きましたが、腰は打ってはいないこと(打った臀部は今は痛くない)、身体を少し前屈すると腰が痛いこと、腰椎を強く巧打しても痛くないこと(巧打した際に痛みがあると腰椎を骨折したり傷めていることがある)、痛みの部位が外側にあり腰椎からの痛みではないことから、転倒の際に腰を捻じって筋肉・筋膜を傷めたと考えられます。
鍼治療の効果については、炎症部分に分布する神経を鍼通電によって刺激して周囲の組織の血流を改善させて炎症反応を促進させることで得られたと考察します。
また、腰の痛みの原因についてYさんにしっかりと説明して納得頂けたことも良かったと思います。痛みは不安によって大きくなることが知られていますが、
不安が大きくなると、私たちにもともと備わっている下行性抑制系という痛みを小さくする働きが作動しなくなり、痛みを感じやすくなるとされています。
腰の痛みに対する鍼施術によって患部の血流が良くなり痛みが小さくなった上にご自分の痛みについて納得され、下行性抑制系が正常化したことが治療効果を生み出したと考えられます。
規則的な運動の習慣は、心地よさをもたらしてくれたり心疾患の予防に役立ってくれたりしますが、それ以外にも潜在的な効果があるということについて今日いろいろと知られるようになりました。
適度の運動習慣が健康に特別な効果があることは、誰もが知ってのとおりです。
心臓血管系の疾患を予防するとか、老化を遅らせるとか、カロリーの消費による体重コントロールといった効果を持ちます。
しかし、そのほかにも微妙な効果がることが証明されています。
このため、運動は行動医学の重要な要素となっています。
その理由は、運動が精神面にも良い効果があるからです。
毎週の定期的な運動は、精神状態にも影響を及ぼします。
その一つは緊張の軽減です。
スポーツ医学の専門家ハーバード・デヴリースは短時間の(5分から30分の)軽い運動でも筋肉の緊張が低下すると証明しています。
また、ジョギングやサイクリングや、最高心拍数の30〜60パーセントで歩くだけでも、軽い不安軽減作用や抗抑うつ作用があります。
とくに、後者の発見は、とても重要な意味があります。
と言うのも、抑うつ状態は免疫機能の低下と深く結びついているからです。
それゆえに、運動には抗抑うつ作用ばかりでなく、免疫機能を高める作用もあり、抑うつ状態に陥りやすい人にとっては一種の保険になってくれるかもしれません。
また、運動が体内の特定の化学物質の産生を促進すると言う証拠もあります。
とりわけ有名なものに、モルヒネ様物質であるエンドルフィンがあります。
よく耳にするランナーズハイという現象です。ある一定量運動することで脳からエンドルフィンなどが排出され幸福感が生まれたり、痛みを抑えてくれたりします。
これによって一度作りだされたエンドルフィンは、運動終了後にも体内にしばらくどとまり、幸福な気分になるわけです。
また、運動後にはカンナビノイドと言うマリファナによく似た物質が脳から出て痛みや苦しみを抑えてくれます。
モルヒネやマリファナと、犯罪が匂う名前が出てますが、体内で作られるエンドルフィン・カンナビノイドでは薬物中毒にはなりません。
安心して運動をしてください!
先日、肩の痛みで来院された患者さんですが、施術したあとで痛みが9割方消えたとビックリして喜んでいました。
このところ2年間その痛みで悩まれていたそうです。
本人曰く、五十肩やと言っておりましたが、どうでしょう?
世間で言われている五十肩と言う表現は幅が広いです。
だいたい40歳以上になって肩(肩関節)が痛くて腕が上がりにくいと言うと五十肩と言っているようです。
肩の関節も長年使ってくると上腕を吊り下げている肩回りの筋肉に硬結が出来てきます。それからその下にある関節を覆う関節包が硬くまたは短縮することが起こってきます。
そうなると肩関節の動きが悪くなってきて痛みの原因となります。
まだこの程度では五十肩までは行っておりません。
五十肩では背中に手を回す、髪を結ぶ動作が困難になります。
なかには夜間、肩の痛みで目が覚めると言う人もいらっしゃいます。
このような状態になってくると2ケ月から3ヶ月はかかります。
今回の患者さんは、そのような五十肩という状態までは行っておりませんでした。
関節の可動範囲には制限もありましたが、一回の施術でかなり改善しました。
筋・筋膜の緊張が原因でしょう。
主訴:両側の臀部から大腿部への痛み、眠られない
先日、拝見した女性の患者さんですが、2月ごろから徐々に痛みが出てきました。
3月に整形外科を受診しレントゲン撮影にて腰椎脊柱管狭窄症棘診断されました。
リリカ(ここ最近出てきた神経修復を目的とした鎮痛剤)が処方されましたが、目眩(めまい)が出てきて服薬が難しくなっていました。
服用中止後もしばらく目眩は続き脳神経外科にて脳のMRI撮影を行いましたが異常はありませんでした。
その後は別の鎮痛剤でを服用し、同時に整体にも通っていましたが痛みに変化はなかったようです。
生活状況は、ここ3年ほどは夫の介護に時間がとられ、また家庭内での家族の洗濯、ご飯用意をしなければならなく、心身ともに負担がかかっていたようです。
腰椎脊柱管狭窄狭窄症の特徴は、歩くと徐々に下肢の痛み・痺れが強くなっていき歩くのが困難になることです。
この病気では背骨内の神経の通り道が加齢により狭くなり、歩行で下肢へ向かう神経への圧迫刺激が強くなって来るわけです(歩行時は腰椎が捻れることで骨盤が前後に動き歩くことが可能になっています)。
ところがこの患者さんでは歩行によって痛み・痺れが強くなることはありません。
またレントゲン撮影だけで終了しております(レントゲン撮影では神経の通り道は分かりません。あくまで年齢と下肢の痛みという事での推察診断でしょう)。
ではこの痛みの原因はということですが、腰部から痛みの放散でしょう。
また、眠られないことからも伺えるように精神的にもかなりまいっており、脳の過緊張により痛みを感じ易くなっていると考えます。
慢性痛は、その殆どがこのような脳が過緊張していることによって、レベル1〜3の強さの痛みがレベル5〜7あるいは8へと増幅されて感じていると思われます。
もともとのご本人の性格や、過去の経験からのトラウマによって起こっているのかもしれません。
仕事や家庭内でのストレスばかりではありません。過去に経験した強い痛みに戻ってしまうのではないかと言う不安、下肢の痛みや腰痛で歩けなくなるのではないかと言う不安、いつまでこの痛みと付き合わなければならないのかと言う不安、そのような気持ちが痛みの部位に強く意識を集中してしまっているわけです。
結局、痛みを感じているのは脳なのです。
当院では患者さんと痛みの原因を探りながら、鍼灸・ファシアスリックテクニック(筋膜リリース)によって痛みを取り除いて行きます。
長く痛みに悩まされている方はどうぞご相談ください。
昨日、肩から肩甲骨まわりが痛いと来院された女性のB(45歳)さん。
数日前からキッカケなく痛みが出だしたそうです。
じっと座っていたり、仕事をしていても痛みがあるようです。
診察で首や肩を動かして貰うと、首を左に傾けた(側屈)時に上記箇所に痛みがでました。
左側に向けて首を捻った時にも同じように痛みが出ました。
腕や指には痺れ・痛みはありませんでした。
多分、首から出て来て肩・肩甲骨あたりの知覚を支配している肩甲背神経が過敏になって痛みを出しているのではないかと推察しました。
首の神経の出てくるあたりや椎骨の繋ぎ目の椎間関節と思われる箇所に明らかな圧痛もありました。
Kさんにもそのように説明いたしました。原因として、長年前屈みでの作業に従事しており、首から肩にかけての疲労の蓄積、また加齢による椎間板・椎間関節磨耗等により神経の出口の狭まりから神経への刺激が加わり痛みが出ることの可能性もお話しました。
発症から日にちがあまり経っていないこと、上肢症状がないこと、楽な姿勢があること、日頃肩凝りを感じていないことから、治療は数日から10日ほどかかると思います。
このような首から肩、さらには腕への痛み・痺れを訴える方はそう珍しいことではなく、中高年に多くいらっしゃいます。
先日、首肩の痛みで来院されている方から、このような話がありました。
患者さん「ここで頚肩の痛みの治療を受けるようになってから、耳鳴り・目眩(めまい)がなくなったんです。
数年前からこの時期になると目眩がして一週間仕事を休むこともあったんです。
耳鼻科・内科を受診しても酔い止めの薬が処方されるか、一時的な点滴されるだけで、あまり効果
がなく、休養して回復を待つしかなかったんです。」
私「鍼灸治療ではそういうことは良くあることで、ある意味副作用ですよね。
副作用というと薬などでは悪いイメージがありますが、必ずそういうものでもありません。
鍼灸治療の場合、別の症状のために治療を行っていると、例えば全身の血流が良くなって冷え性
なくなったとか、花粉症が出なくなったとか、眼の調子が良くなって物がハッキリと見えるように
なったとか、そういう良い意味での副作用というか副産物はあります。」
こういう話は鍼灸あるある なんですね。
ただ、どのような症状が改善されるかは個人個人によって変わりますから予想はできません。
みなさんも、鍼灸治療で健康な身体を作って行きませんか。
先日、逆児の妊婦さんで正常に戻るのに手間取ったケースがあったので紹介します。
[症例]34歳、女、特に異常なし。
妊娠30週の初産婦。
29週で骨盤位を指摘された。一旦、戻ったようだがすぐにまた骨盤位へと戻った。
足の三陰交穴に施灸7壮と30mm1号鍼にて刺鍼。
自宅で足の三陰交穴へのお灸を指導。
施術直後から胎動が増えだした。
数日後、婦人科でのエコー検査があったが胎児の位置には変化はなかった。
もう1週同じように自宅でのお灸を行う。
翌週の婦人科の検査でも変化はなかった。
足の三陰交穴に足の至陰穴をプラスする。
朝と晩の2回行うように指導。
翌週の婦人科のエコー検査で胎児は正常な位置(頭位)へと改善した。
今回、三陰交穴だけでは戻らず、至陰交穴を途中からプラスした。
また、「鍼灸臨床生情報」には座位で施灸したほうが戻り易いと報告されているので座位を取り入れた。
お灸は物理刺激であるのだが、リズミカルに行うことが重要と考え、途中から右、左、右、左と交互に行った。
(2020.5.10)
指先が化膿し、非常に痛くなって困ることになる。
外科では切開し、抗生剤の軟膏と飲み薬で対応することになる。場合によっては爪を一部切除することになる。
ところがこの「ひょうそ」はお灸で簡単に治る。赤く腫れ来ている直近の爪の上にゴマ粒大のお灸を数回おこなうことを数日繰り返すと段々赤みが消えてきて治ってしまう。化膿が強くぶよぶよしている時には赤くなっている部位を爪側に押して一旦膿を出してしまうとなお回復が早い。
深谷先生の本では爪を横に三等分線をひいて、さらに縦に真ん中に線をひきその一番右手の横線と縦線の交点に灸点を取っている。それとプラスして患側の合谷穴にも施灸している。
しかし、私が過去何度かトライした印象では、上で書いたように線分をひかずに赤く腫れている直近の爪上に点をとってほうが早く治った。これは私だけでなく、家内にも、子供たち2人にも行った結果なので有効率は高いと思う(子供は汚い足の爪付近に何度かなっていた)。一度試してみると良いだろ。
1月半ばに両側のお尻から下腿に電撃痛が走ると言って来院された女性の方があった。
この女性は年始に重い物を持ってから上のような症状が出てきたそうだ。
腰を伸ばすと痛みが臀部から下腿に走り、常に腰を屈めたような姿勢で歩いている、おばあちゃんのようである。
寝返りも痛むようだ。
整形外科にも受診されたが、レントゲン撮影して「異常ありませんね、じゃこのクスリ飲んでおいてください」と痛み止めが出されて終わった(異状ないから鎮痛剤というのも変だが)。
薬を飲んで様子を見ていたが痛みは変わらず、この激痛に耐えられなくなって友人の勧めで鍼を受けてみようと思って来院されたようだ。
だいたいこのような坐骨神経痛様の痛みは片側だけというのが普通であるが、たまには両側に出る場合もある。
多分、片側の痛みを庇っていて反対側の腰臀部にも筋緊張が出来上がったのではないだろうか?
ケンプ兆候は左側陽性なので、左側の腰部脊髄神経の出口が狭くなっているか、神経の腫れがあるのかもしれない。
しかしこれまでの痛みの出るようになった前後の経過を聞いていると、暫く鍼施術をすれば症状が治まってくるのは推測される。
この患者さんにもそのように伝え施術を開始したが、最初の数日はあまり変化がないようだったが、1週間を過ぎたあたりから目に見えるように痛みが改善してきた。
現在も治療中だが、約9割5分ぐらいまで回復してきている。
患者さんも嘘のような感じで半信半疑のようである。
あと少し治療を継続すれば痛みから解放されることであろう。
約1ヶ月前、いつも定期的に治療に来ている患者さんが目まいを訴えていいました。
発症したのが休日で、とりあえず近所の内科で診てもらい点滴で対応していただいたのですが、病名は良性発作性頭位めまい症だろうとのことでした。
この良性発作性頭位めまい症は眩暈(目まい)外来受診の6〜7割を占めていると言われています。
原因は耳の三半規管近くにある耳石(カルシウムの塊)が動くことによって内耳のリンパの流れ悪くなり起こると言われています。
その内科の先生も耳石が出来上がり動くことが原因だろうと説明されていたようです。
その患者さんですが、来院されたときはまだ目まいがあるようでした。寝ている時はそうでもないが、起きて頭を動かすとフワッとしてそのうち目が舞うようでした。
良性発作性頭位めまい症には鍼灸は効果的で、局所的には内耳周囲のリンパの流れを良くし、また全体的には自律神経の働きを良くすることで目まいが起こらなくなってきます。
この患者さんの場合は、治療後翌日から症状が出なくなりました。3日ほど「フワッと」することもありましたが、その後は症状は出ていないようです。
現在、耳石が目まいの原因とされていますが、そうなのだろうかと疑問に思います。
なぜなら一度出来上がった耳石はずっと存在するわけで、治療により症状が治まってくると言うのは不思議です。
この良性発作性頭位めまい症、精神的なストレスも原因の一つとされています。
ストレスがかかると筋緊張により内耳のリンパの流れが悪くなります。
その結果、耳石の動きに過敏に反応するようになるのだろうと考えます。
寒い冬だからと家に籠っているばかりでなく、外を散歩したりして環境を変えてみることは必要です。
先日、特に思い当たることもなく頭痛がする方が治療に来られた。
両側のコメカミ部が締め付けるように痛いそうだ。
仕事はデスクワークである。ほぼ一日パソコンの画面を眺めているようである。
このような頭痛は、原因は頚肩部の筋緊張が原因と推察される。
毎日、パソコンの画面を眺めて目を酷使し、姿勢は前屈みになっている(背中を丸めて首を前に突き出している)。
このような状態を日々続けていると首肩の筋肉が強ばってくる。
首の後ろ、後頭部との境あたりからは後頭神経が出て頭の表面を覆っているのだが、その神経が刺激されてコメカミや頭全体が締め付けるような痛みを起こすわけだ。
また、ここ10年余りスマートフォンが普及してから更に首肩と眼に負担がかかっているわけだから、このような症状を訴える方は増えこそすれ減ることはないと思われる。
治療の方は、背中から肩・首の筋緊張を和らげる鍼をすると翌日から症状は消えてしまった。
初発だから回復も早かったのだろうと思う。
しかし、パソコン・スマートフォンなしでの生活は送れないだろうから、症状が続くようであれば定期的な治療が必要になるだろう。
糖尿病と五十肩と言うと、なんら関係がありそうに思えませんが、実は糖尿病の約20パーセントの人に五十肩が起こると言う報告があります。
まだ日本では糖尿病の合併症に入れてないようですが、糖尿病も五十肩のリスクの一つです。ADA(アメリカ糖尿病協会)の報告では、糖尿病のある人の20%が五十肩になるのに対し、糖尿病のない人は5%となっています。
五十肩は肩の使い過ぎであったり、身体の疲労、老化による筋の柔軟性の低下など、いろいろな原因が重なっています。
なぜ糖尿病の人に五十肩が多いのか諸説ありますが、長く血糖が高い状態が続くと、肩関節を覆う滑膜と言う組織が硬くなって来て、肩が動かなくなってくるようです。
また糖尿病がある人では五十肩が治るまでの期間も長くかかることが報告されています。
私の治療の経験でも、糖尿病に長く患っている人の五十肩は治癒まで時間が長くかかっています。
痛いからと言って肩関節を動かさないのではなく、早くから運動療法を行いながら治療に勤めることが必要です。
7月の終わりから電子カルテ「みんなのカルテ」を導入いたしました。
メリットは、
などなど。 鍼灸院レベルで電子カルテを導入しているところは、まだまだ稀ですが、患者様の健康を管理を行う施設としては今後は必須と考えています。 (2019.8.24)
当院では腰椎椎間板ヘルニア・頚椎症性神経根症の患者さんが沢山来院されています。
どちらの場合も神経の出口周囲で神経が腫れていますから、治療には時間が要します。
この7月2日に初めて来院されたTさんですが、連日熱心に治療にいらしてます。
初診時はベッドに横になる、起き上がるという動作で足へ「ピピっ!」と激痛が走り暫く動きが止まる状態でした。
うつ伏せなどは無理ですから、横向きに寝かせての治療です。
鍼治療が終わった直後も症状にはすぐに改善はなく、ご本人は不安だったでしょう。
しかし、私の注意事項を守り治療を継続した甲斐があって、今ではスムーズに動けるようになりました。
今日も治療を終えて、笑顔で帰っていきました。
全快にはあともう少しでしょう!
先日から治療に来院された鵞足炎の患者さんですが、その後経過は良いようです。
バドミントンをなさっているのですが、冬の寒い時期に練習で無理をされて発症したようです。
炎症と周囲の筋緊張を改善を目的に鍼施術を行い、その後縫工筋・半腱半膜様筋の滑りを良くするためにファシアスリックテクニックで施術しました。
膝周囲は筋肉だけでなく、内外側副靭帯・膝蓋靭帯や膝周囲の支帯などの軟部組織の多い場所です。
それらの滑り・浮腫みを取るようにインストゥルメントで丁寧にケアしときました。
数回施術すると、鵞足の付着部の腫れっぽさもなくなってきました。
鵞足は、膝の関節のすぐ下にある脛骨(すねの内側の長い骨)につながっている3つの腱(縫工筋・半腱半膜様筋の腱鞘)です。この形状がガチョウの足のようにみえることから「鵞足」と呼ばれます。
膝は「曲げ伸ばし」を行う部位であるため、じん帯や腱が骨との摩擦によって傷つき、炎症を起こすことがあります。
その結果、鵞足炎や鵞足滑液包炎を含む、さまざまな膝の障害が現れます。
先週の火曜日に上腕外側の痛みを訴えて来院された患者さんですが、理学テストから頚部神経根症か頚部の筋のトリガーポイントによる痛みと判断し鍼灸治療を行ったところ、今週に入って劇的に症状が軽減しました。
発症は5月の15日に寝違いのような感じで首から肩にかけて痛みが出たようですが、これは1週間ほど様子を見ていたら消えたようです。
しかし、それにともない上腕に痛みが出てきたというわけです。
腕を動かして痛いというわけではなく、じっとテレビを見ていたり運転しているとズキズキと痛んでくる感じでした。
鍼灸治療は頚部の圧痛の強い部位(C4/C5レベルあたり)に鍼通電し、あと筋緊張の強い肩部・上腕部にも刺鍼し、施灸しておきました。
神経の炎症がなくなるには10日から2週間かかると説明しておきましたが、凡そそのような感じでの経過でした。
発病から間もなく鍼灸治療を開始すると、このように早く症状も治まっていきます。
(2019.6.5)
先日、約2年ぶりに線維筋痛症で治療していた患者さんが来院された。
今回は背中を傷めたとのことで、患部に丁寧に鍼し、その後ファシアスリックテクニックで筋膜の調整を行うと、施術後には痛みは消えていた。
彼は約2年半の間、治療を継続し、長く休んでいた仕事へ復帰していった。ここ最近の様子を訊くと、なんら痛みもないとのこと。あれだけ痛みに悩んでいたことが嘘のようである。
一見陽気に見える彼だが、メンタルは非常にナイーブで、そこが痛みの原因であった。今も時々、緊張して眠られないことがあると言う。
治療中の約2年半は、良くなったり悪くなったりと、決して順調に行ったわけではない。彼のカルテを見ると、その当時の彼の苦悩が思い出される。
痛みの調子が良く一旦は仕事に復帰してみたものの、やはり痛みで休むことになった際、仕事復帰への焦り、このまま治らないのだろうか、などと随分悩んだものである。
しかし、我慢して治療を継続するなかで、徐々に回復していった。
彼の場合、痛みが出だした切っ掛けは昼夜の2交代制であった。もともとナイーブなところへ、生活のリズムが逆転する2交代制は脳にも身体にも負担をかけたようである。
だから決して夜勤だけは免除して貰えるように伝えてある。
若いから無理をすることもあるだろうが、決して生活のリズムを崩さないようにすることが大事である。
(2019.5.29)
3月から治療していた頸椎椎間板ヘルニアの患者さんですが、無事症状が治まったので、治療を終了しました。
首から背中、腕の痛み・指先のシビレ感があったのですが、順調に消えて行きました。
治療開始時には直ぐには治療の効果は現れませんでしたが、あきらめずに何度か来院している間に少しずつ症状が弱まっていきました。
その間、日常生活でのアドバイス等もさせていただきました。
こういう姿勢をとらないようにとか、運動は控えて欲しいとか、このような姿勢を取ると症状が強くなりますよとか、
案外、このような日常生活のアドバイスは重要です。
(2019.4.24)
12月から通院されていた頚部神経根症(頸椎椎間板ヘルニア)の患者さんが、やっと全快した。
症状の酷い時は、寝ていても、起きていても、発作的に肩から腕に痛みが出てきて、指先も痺れていたが、そのうち、発作的な痛みはなくなり、指先のシビレだけが残っていた。
それも2月の末から出たり出なかったりとなり、ここ3週間シビレもなかった。
本人も辛かっただろうが、よく頑張ったと思う。
特にパソコンの作業や車の運転姿勢では、痛みが辛かったようである。
この姿勢になると、肩から腕、さらには肩甲骨周囲にも痛みが出て来る人は多い。
頚の少しの傾きによって神経根を刺激するのである。
日頃から姿勢には気を付けなければいけない。
身体に痛みがある時や、調子の悪い時は、「体のために何をしたらいいのだろう?」「ストレッチもしっかりやらないと!」と身体のためになることを真剣に考えるものです。
しかし、少し調子が良くなってきたり、症状がなくなると次第にやらなくなります。
また、思うように結果が出ないときも、徐々にやらなくなってきます。
基本、そのような身体にためになることは、自分自身を制限したり、これまでの生活を変えたりと、楽しいことではありません。
楽しいことだと、人間絶対忘れません!
だから、すぐ忘れてしまって、ついつい明日に延ばし、明後日に延ばしとなり、ついにはやらなくなってしまいます。
本当は楽しい方法があればいいのですが、なかなかそう言うわけにはいきません。
大概の人はこのようなことを繰り返しています。
継続できるというのは並大抵のことではないし、それができる人は凄いと思います。
私も腰痛持ちで、調子が悪くなると、自分で鍼をしたり、筋トレをしたりとしてるのですが、調子が良くなると忘れてしまっています。
先日も、うっかりと腰を痛めてしまいました。
こんな腰痛は数年ぶりです。
そう言えば、ここ半年、鍼治療をしてませんでした。
ストレッチもさぼっていました。
やはり継続しないとダメですね!
前回、胎児の位置異常(逆子)について書きましたが、逆子の治療については「鍼灸説約」と言う古書に「婦人横産手出るを治す」と書いています。
その他いくつかの古書にも記載しています。
いろいろな治療を収録した「名家灸選」では左足の小指の先端に小麦大の灸三壮(三回)と書いています。
これは至陰穴(しいんけつ)を指しています。
私の経験では、この至陰穴(しいんけつ)は足の小指の外側であるため、靴を履いた時に擦れる可能性があります。
そういう訳で私は足首の少し上にある三陰交(さんいんこう)を使っています。
至陰穴(しいんけつ)と三陰交穴(さんいんこう)を比べると効果にはあまり違いはありません。
先日のNHK「ためしてガッテン」では三陰交穴(さんいんこう)を使って鍼での逆子の治療を紹介していましたね。
私は逆子の場合、主にお灸で治療しています。
そして逆子が戻ったあとは、自宅でお灸をしていただきます。
そうするとその後胎児も安定して出産を迎えることができるのです。
昨日のNHK放映の「ためしてガッテン 鍼治療SP」は、とても良い内容でした。
一般の方には鍼で逆子(さかご)が治ると言うのが衝撃的だったのではないでしょうか?
逆子の鍼灸治療は石野信安氏が逆子(さかご)に対して足首の上にある三陰交というツボにお灸をすことを論文紹介したことに始まる(それ以前の出典は調査中)。
今回の放映では鍼をして胎児が動くことが紹介されてましたが、鍼をするのは私も初めて見ました。
私のところではこれまでお灸で治療しています。
だいたい30週までなら9割治癒しています。
それ以上になると胎児が大きくなってくるので、治らない場合が増えてきます。
現代医学では逆子(さかご)の場合、帝王切開となることが多くなりますので、トライしてみる価値はあります。
今週に来院された頚部神経根症と思われる患者さんです。
はじめ、寝違いのような首から肩の痛みで始まりました。
その翌日から寝ていたり、座っていると首・肩・背中・上腕部に痛みが出てくるようになってきました。
来院する前日には痛みであまり寝られない状態でした。
身体を見ると首のところに筋緊張とともに指で押すと強い痛みを感ずるところがあります。
また、肩・背部にも筋の凝りがみられます。
首を右に捻じると首・肩・背中・上腕に痛みが感じられます。
治療は、頚部・肩部の反応の出ている箇所に鍼を行い、また、側頚部の神経の出口周囲にも鍼し、神経周囲の筋緊張をとるようにしました。
昨日で5回の治療でしたが、かなり症状が和らぎました。
プラス、寝る態勢も指導しました。
枕の高さの調整の仕方で、安眠できるかどうか、重要なポイントです。
眠ることができれば回復も早いです。
昨日、来院された患者さんですが、首から肩甲骨と左上肢の痛みを訴えてました。
左中指・薬指にもシビレがあります。以前患っていた頚部神経根症です。
過去にも3度、同じ症状で来院されてますが、いずれも鍼灸治療にて症状が緩解しています。
ひどい時には夜眠ることも難しい状態でした。
今回は、そこまで症状は強くなく、寝始めは痛いようですが、そのうち寝入って朝まで問題なく寝ています。
おおよそ数回の治療で5割方症状は和らぐでしょう。
原因は、加齢による椎間板のヘタリ(椎間板ヘルニア)や、椎骨の変形により神経が刺激されて起こります。
指が思うように動かない、歩行困難と言った頚髄症状が出ていなければ、鍼灸治療がお勧めです。
規則通り鍼灸治療を受けて行けば約1か月で症状は消失していくことでしょう。
早期から治療を開始すれば指のシビレも消えてしまうことは多々経験しています。
今後、どのように改善して行くか注目です。
先日から来院中の女性の患者さんです。
症状は「頭がフワフワする感じ」と「耳鳴り」です。
時に「気分が悪くなる」ことがあります。
耳鼻科ではメニエール病と診断されています。
約2年前に酷い「めまい」と「耳鳴り」と「吐き気」が起こったようです。
直ぐに内科を受診して耳鼻科を紹介されメニエール病と診断されました。
その後、服薬にて酷い状態はなくなったようですが、精神的に緊張すると「頭がフワフワする感じ」と「耳鳴り」が出て来るようです。
時には吐き気まではないようですが、気分が悪くなることもあったようです。
仕事での精神的ストレスと肉体疲労もあるようです。
「頚肩の凝り感」も強いようです。
身体の緊張をとるような全身調整と、内耳のリンパ液の循環促進を目的として、鍼治療を行うことに決定し治療を開始。
初回治療では、治療後から身体 特に頚肩部がスッキリしたようです。
3日後に次回来院したところ、「頭がフワフワする感じ」と「耳鳴り」は弱くなったようです。
その後数回治療を行っていますが、時折「頭がフワフワする感じ」と「耳鳴り」はあるものの、程度は軽いようで、あまり気になるほどではない感じです。
ただ、初発から時間が経過していることと、仕事でのストレスは変わらないことから、しばらくは定期的に治療を行い、様子を見ていく必要があります。
ここ最近、耳にする言葉に「スマホ・シンドローム」と言うものがあります。
スマートフォンを利用することで引き起こされる不調を、総じて「スマホ・シンドローム」と言いますが、不自然な姿勢での長時間の使用により、肘・肩の痛み、首のコリ、眼精疲労、時には吐き気、頭痛に繋がると考えられます。
ある医療調査機関が行ったアンケートでは、20〜50代の実に93パーセントの方が「スマホ・シンドロームの可能性がある」と言う結果が出ています。
「スマホ・シンドローム」はスマートフォンを利用するすべての人に生じる可能性があります。2012年と2016年のスマートフォンのユーザー数と利用時間を比較すると、2016年では2012年に比べ、ユーザー数が145パーセント、利用時間は122パーセントとなり、スマートフォンが生活スタイルの一部となっている傾向が現れています。「特になにもすることがない時、とりあえずスマートフォン」といった、目的意識のない利用が増加し、今後もユーザー数・利用時間んの増加して行くものと予測されます。
スマホシンドロームが疑われる症状
上記は「スマホシンドローム」に含まれる症状の一つです。 このような症状は、医療機関での検査でも殆ど異常はみられないのが患者を悩ませる原因の一つになっています。
今やスマートフォンは現代人にとって、すでに欠かせない存在となっています。使用時間を制限すること自体が困難な人も多くいます。「スマホシンドローム」の治療には、スマートフォン・PCを使わないことが一番ですが、そのような生活スタイルはなかなか変えていくことはできません。「スマホシンドローム」をなくすのではなく、どのようにスマートフォンと付き合っていくかが重要です。
当院では、定期的な身体のケアでスマートフォン使用による諸症状を軽減させていただいております。また、症状がなくなった後も大事で、身体の疲れを感じ始めた時に鍼灸治療することで、症状の再発をおさえていきます。
腰椎脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアを含め腰痛には、医療機関では鎮痛剤処方がなされるためか、鍼灸治療でも、1〜2回の施術で痛みを取れること安易に期待して来院される方は多い。
しかし、3ヶ月以上、中には1年以上も痛みが続いている場合、症状が慢性化しており、そういうわけにはいかない。
少なくとも、1か月ぐらいの継続的な治療は必要になってくる。
痛みの治療では、スピードが第一である。
だらだら治療をしていると、治療していても慢性期に入ってしまい、なかなか症状が和らぎにくいのを経験的に学んでいる。
痛みの程度は同じレベルが続いている場合、3ヶ月前に治療したのと、今から開始するのでは、症状が和らぐ期間は、3ヶ月前に開始した場合のほうが治療期間は短くなる。
なぜなら、慢性化した痛みでは、痛みによるストレスで、脳内で痛みが感じ易くなってくるからだ。
痛みを感じ続けると、血管収縮もあり、痛みの出ている周囲の筋緊張が起こり、それが更なる痛みの原因となる。
そういう痛みの負のサークル(痛みの循環)が出来上がるため、しつこい症状となる。
痛みがあれば早めの処置をお勧めする。
今年の北陸の夏は、とても暑い日が続きました。
それも7月初めに梅雨明けし、その後8月末の現在まで続いています。
クーラーは体を冷やすから嫌だと言っても、この暑さではクーラーに助けていただかなくてはなりません。
また冷たい物も取らないとやってられません。
さて、夏の疲れについてですが、実際に疲れが出て来るのは、涼しくなってくるこれからです。
暑い間、外界の熱に対応するために、自律神経はフル稼働しています。
涼しくなってきた9月〜10月にかけて、身体のだるさ 眠られない 頭痛 食欲の低下 めまい ・・・・・ 様々な症状が現れます。
また、夏場に冷やした影響で、腰痛 肩凝り 頚肩の痛み 神経痛が出てきます。
涼しくなってくると暑さも終わったと一安心しますが、身体はこれからだと思ってください。
冷たい物をとったら、その後 15分間たって温かい物を取りましょう!
今回、全日本鍼灸学会大阪大会での講演でなるほどと感じたのは慢性閉塞性肺疾患に対する鍼灸治療である。
この疾患は、近年の高齢化とともに急増している疾患で、時に命にかかわることもある。
原因の1位は長年の喫煙。
長年の喫煙により気管支・肺が十分に働かなくなるわけですね。
結果、息切れ・呼吸ができなくなる。
そのような労作時の息切れを鍼灸は改善させるわけです。
息切れが起こるときには、病状もかかり進んでいます。
やはり喫煙は早くやめるできですね。
GW前に、下腿外側と臀部の強い痛みを訴えて来院された方がいる。
痛みは4月初めに出てきたそうだが、整形外科での鎮痛剤・ブロック注射でも改善しなかったそうだ。
整形外科でのMRI撮影では、下位腰椎の椎間板ヘルニアとのことだった。
しかし、初回の鍼治療で、痛みがかなり和らぎ、夜間もぐっすり寝ることができた。
その後も、若干痛みは強くなったり、弱くなったりしているが、初診時のような強い痛みはない。
はたして、腰椎椎間板ヘルニアによる痛みが、こんなにも急激に痛みが和らぐのだろうか?
そのうえ、当院が休診していたGW中に、車で遠出までしている。
痛みは改善しているから結構なのだが、MRIの画像が原因ではないと思われる。
先日、高校の部活をしている生徒さんですが、部活中に足関節を捻挫を起こしたようです。
捻挫を起こしてから3日目ほどです。
足関節内側部の三角靭帯部に腫れがみられます。
軽く触ると痛みもあります。
0番鍼で置鍼したのちグラストンテクニックで靭帯部のむくみを取るように処置しておきました。
帰るときはまだ足を引きずるような歩き方をしていました。
翌日来院するともう普通に歩いています。
患部の腫れっぽい感じほほとんどなくなっています。
足関節をいろいろな方向に動かしても痛みはないようです。
あらためてグラストンテクニックの即効性を実感しました。
これが1か月も、2ケ月も経ってしまうと、時間がかかってしまいます。
過去に何度か、時間の経った捻挫の患者さんを診させていただいたことがありますが、思った以上に時間がかかりました。
患者さんのこれぐらいの痛みだからすぐ直るだろうという先入観があるのでしょうね。
痛みの程度ではないのです、発症してから早ければ早いほど効果の出るのも早いです。
痛みを取るにはタイミングが必要だということです。
ここ2〜3年、交通事故で鍼灸治療を受けたいと、保険会社にお伝えすると
「お医者さんの了解、同意を得てください。」
と、言われます。
数年前までは、鍼灸治療を受けたい場合、医師の同意はなくても認められていたのです。
なぜ、鍼灸治療に医師の同意を求められるのか?
ご存じのように交通事故では、自動車損害賠償責任保険(以下自賠責と略します)での支払いになります。
この自賠責は、管轄が厚生労働省ではなく、国土交通省・金融庁なのです。
そして国土交通省・金融庁の通達文には、鍼灸・マッサージも認められて治療として記載されています。
そして、医師の同意が必要とは書いていないのです。
「自動車損害賠責保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計の一部を改正する法律の施行等に伴う政令、省令及び関係通達等の制定及び改正並びに支払い基準の制定に関するパブリックコメントの結果について」
上記、法律や通達で詳しく書いています。
ですから保険会社の担当の方がなんと言われようと、お医者さんの了解を得ずとも鍼灸治療はできるのです。
その辺りをよくご理解ください。
腰椎椎間板ヘルニアであれ、脊柱管狭窄症、膝関節痛、肩関節炎であれ、どこかに障害があると、痛みで周囲の筋肉に収縮緊張が起こります(それは痛みで交感神経優位になるため)。
そのような筋肉の収縮緊張は血液循環を妨げ、よって筋肉内への酸素供給が阻害され、老廃物質の排出が妨げられます。
そのような状態が続くと、筋肉に凝り(硬結)ができ、痛みのトリガー(引き金点)に変化します。
障害によって起こった痛みをトリガーはさらに増幅します。
元々の腰椎椎間板ヘルニアや腰痛症の治療も大切ですが、まずはそこに出来上がった筋肉の凝り(硬結)を取り除く、あるいは小さくすることは、今ある痛みを取るためには一番大切になります。
それも早く処置し取り除くことです。
「この痛みは放っておけばいずれ治るだろう」というのは、甘く見過ぎです。
痛みは長引けば、長引くほど取れづらくなります。
なぜ取りづらくなるのかは、以前書いた「慢性疼痛について」を読んでいただくと良いかと思います。
長期に痛みを放置した最悪のパターンが線維筋痛症でしょう。
痛みの循環サークルから抜け出せない状態になっているのです。
火は早めの消火が大事です!
昨日(2017年5月14日)は、早月川支流の小又川からコット谷を上り詰め、大日岳へ行ってきました。
何故なら、お手軽に上がれる称名平からの遊歩道がまだ通行止めだから。
初めてのルートはいつも不安と好奇心でイッパイです!
先ずは、林道歩きです。
もう少し早い時期だと河原に雪がタップリあり、川伝いに行けるのですが、ちょっと遅かったです。
途中、土砂崩れや雪の斜面もあり、注意しながらの林道歩きです。
徐々に、河原に降りていきます。
問題は、どこで向こう岸へ渡るかです、内心ドキドキ!
どうにか渡渉場所を探し出し、川を渡りました、ホッと。
向こう岸に渡れば、あとはコット谷を登ります。
ここも急登です。
アイゼン、ストックをフル稼働して登ります。
暑いです。
登り詰めたら、ここから大日岳へ目指します。
途中、何度となく剣岳がお迎えしてくれました。
とうとう山頂が見えてきました、近くに見えていてまだまだ長いです(汗)。
遠目には緩やかに見えますが、結構劇坂です、ハアハア言いながら登りました。
やっと、山頂です。
ここまでスタートから約6時間。
達成感は言いようがありません。
山頂からの剣岳です すごいキレイです!
山頂からの絶景を堪能したら帰ります。
帰りの雪庇です。
落ちたら終わり、一気に1000mの落下でしょう。
あまり右側には寄れません、コワー!
ガスも上がってきて、帰りは注意しながら下山しました。
途中、川を渡渉する場所を探すのに約1時間ロスしましたが、夕方5時にはスタート地点へ戻りました。
この日は久しぶりに雪山を堪能しました。
やっぱり、雪はイイです!
慢性疼痛とは、「3ヶ月以上続く、または急性の組織損傷が回復したあと1ヶ月以上経過しても持続する痛み」を言います。
日本神経治療学会の
「標準的神経治療 慢性疼痛」によれば、
「急性疼痛とは、突然の病気・怪我などによって起こる痛みであり、原因の治癒とともに短期間に消失する。それに対して慢性疼痛は、1〜3ヶ月以上も痛みが続くもので、原因となる病気・怪我が治ったあとも痛みが残っている。また、原因がはっきりと分からない痛みもある。」ということになっています。
つまり、身体のどこかに傷がつき、それがいつまでも続く痛みの原因になると言うことです。これは、明らかな発症原因の分かる損傷ばかりとは言えません。
例えば、日本人の愁訴の上位にあげられるものに肩凝り・腰痛がありますが、これも無理のかかる姿勢を取り続けることによって筋肉に微細な傷がつきます。何気ない毎日の動作が筋肉を傷つけ、それが長期に亘るしつこい痛み・不快な症状を起こしているわけです。
また仕事やスポーツでの筋肉・靭帯・腱鞘の使い過ぎも炎症を引き起こし慢性疼痛の原因となります。
ここで慢性疼痛が問題になるのは、急性疼痛とは痛みの起こるシステムが異なるということです。
長く痛みを感じ続けることによって、脳が興奮状態となり、筋肉の緊張を引き起こして痛みが取れにくくなってくるということです。
筋や靭帯や神経に傷がつく
脳に信号が伝わる
脳が過敏となり、交感神経興奮・アドレナリン分泌が起こる
傷ついた部位の周囲の筋が収縮する
血流が阻害される
筋に硬結ができる
違和感・痛みが続く
脳に痛みの信号は持続的に入り、脳が過敏状態になる
痛みを感じやすくなる
脳から痛みの信号が出続ける
腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・脊柱管狭窄症の診断だったと当院に来院される方は多いですが、その症状が本当に腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・脊柱管狭窄症による症状かどうかと、疑問に思うことはよくあります。
整形外科ではレントゲンやMRIの画像しかみません。
画像で異常があればそれを原因であると決めつけますが、画像に異常がないと「何ででしょうね?」とか「異常ありませんね」と言われます。
あとは鎮痛剤と湿布薬で様子見です。
原因が分からないのに薬を処方するのも不思議です(笑)。
腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症・脊柱管狭窄症 それぞれが原因である症状もありますが、そうでない場合も多くあります。
鍼をしたりマッサージしても椎間板の突出や骨のズレは治りませんが、症状が消えたり軽くなったりすることが日常茶飯事です。
私が処置しているものは、筋肉の凝りや硬結です。
その硬くなった筋繊維を柔らかくなるように鍼灸し、そしてファシアスリックテクニック(グラストンテクニック)や徒手によるマッサージでほぐしていきます。
すると痛みが改善していきます。
なぜ、痛みがなくなっていくのでしょうか?
お分かりのように、この筋肉上の凝りや硬結が痛みの原因になっているからなのです。
そしてその痛みの出方にはそれぞれに筋肉にパターンがあります。
そのパターン化されたものがトリガーポイントです。
私は、パターンから判断し、原因となる筋肉・硬結部位を追求し治療していきます。
先日から治療中の方の症状ですが
左側足の甲から拇指先にかけて痺れ(シビレ)があるそうです。
その話を聞いた時、
あっ そうそう それは前脛骨筋のTP(トリガーポイント)じゃないか!と。
ほぼ一日立ち仕事ですし、足への負担は相当なものです。
特に支持足の左側は常に体重がかかっています。
一般に足の先の痺れと言うと椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患を連想しますが、意外と下肢の筋肉にできたトリガーポイントからの連関痛であることも多いのです。
実際にこの方の前スネを触るとかなりコリコリした状態でした。
前脛骨筋のコリコリしたエリアに数ヶ所、鍼をすると、ズーンとした響きが足の拇指まで伝わりました。
トリガーポイントの書籍では、一点だけが示されていますが、ほとんど場合、一点だけで効くことは希です。
トリガーポイントというよりトリガーエリアと言ったほうがいいのかもしれません。
それとテクニックと深さも重要な点です。
うまく、トリガーとなっている筋繊維を摘み、貫通さす必要があります。
この患者さんですが、治療翌日には痺れはかなり和らいでいましたが、2日ほど経つと戻っていました。
慢性的な症状のケースでは、繰り返し治療する必要があります。
なぜなら、頭の中で 痛みの学習ができているためです。
そこが急性症状と慢性症状の違いです。
早期に痛みのシグナルを断ち切ることが、痛みから解放されるコツです。
ランニングを続けていると膝や腰などいろいろな場所に痛みが出てきて困ることがあります。
特に長年レースを目指して走っている方では慢性的に痛みに悩まされています。
痛いながらも練習をしてきて、さてレースとなったとき、藁をもすがるように鎮痛剤のお世話になる方は多いかと思います。
しかし、特にフルマラソンのような過酷なレースでの鎮痛剤服用はとても危険なことがわかってきました。
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載されている論文には、ランレースでの鎮痛剤服用で心臓循環器系・消化器・腎臓で有害事象が起こることが載っているそうです。
詳しいことは泌尿科医の奥井識仁先生が下記で紹介しております。
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20170213/med/00m/010/003000c
先日より肩の痛みで来院されている患者さんです。
昨年秋ごろより右腕を動かすと肩関節に痛みを感ずることが多くなり、今年に入って少し力を入れるとその後ズキズキと痛むようになってきたようです。
ここ最近は起きていても寝ていてもズシーンと鈍痛があるようです。
整形外科にて注射(何の注射か不明?たぶん鎮痛剤か)をしたが変化がありませんでした。
注射後、注射痕が数日傷んだようです。
当院にて診たところ、前方挙上、外転(横から腕を水平に挙げる)、外内旋(捻じり)にて痛みによる可動制限がありました。
肩関節に触って熱感はありませんでしたが、やや見た目は腫れぼったい感じがありました。
腱板炎と推察し、首から肩ならびに肩関節周囲の筋緊張を緩めることと肩関節の消炎を目的に約1週間連続で鍼灸施術を行いました。
第一回施術後、翌日にはズキズキする痛みの頻度が減りました。
その後も施術する度に痛みの度合いも減っていき、1週間もすると前方挙上はほぼ支障なく行えるようになってきました。外転は水平までくると痛みはまだあるようですが、初診時より挙がり易くなり可動範囲も広がっています。
捻じりは、ズボンの後ろポケットに手を持って行けるぐらいまで改善しています(初診時には服の着脱はやっと行っていました)。
関節の可動制限がなくなるにはもう少しかかるようです。
最近、眼が重いと感じたことはありませんか?
若い頃はそう感ずることもなかったかもしれませんが、40代半ばよりちょくちょく感ずるようになってきます。
ちょうど老眼が始まったころです。
段々、眼の調節が上手く行かなくなってくるわけです。
グラストンテクニックは筋肉の痛みばかりが取り上げられますが
意外とこの目の疲れ・違和感に効果があります。
前額部を中心に施術することで眼がスッキリします。
また眼の疲れている方は首の凝りも往々にして酷いものです。
首肩の凝りを取る鍼施術と併せて行うと効果的です。
ファシアスリックテクニック(FaST)の対象は、英語でfaciaと呼ばれるモノです。
筋肉を覆う筋膜だけでなく、靱帯・骨膜・腹膜など膠原繊維(コラーゲン)で作られた膜に作用します。
ですから骨膜炎であるシンスプリントにも効果がありますし、疲労骨折などでも治癒期間が短くなります。
膝周りや足首周りなどに痛み・違和感があるとき、骨膜の乱れや浮腫が原因となっていることは良くあります。
膝下の内側(脛骨内側)を軽く撫でると、かなり過敏になっています。
そのような場合、ファシアスリックテクニックのインストゥルメントで施術すると痛みが徐々に消えてきます。
今日、たまに治療に来院するブラジル人の男性が急な筋肉痛で治療に来ました。
朝、体勢を崩した時に背中に痛みが走り
それ以来痛みが続いているようです。
立った状態で背中を見ると少し盛り上がっている箇所を見つけました。
指で探ると痛みを感じるようです。
うつ伏せになって頂き、まずはポイント数カ所に置鍼をしておきました。
鍼を抜いたあと動いて頂くと半分ぐらいに痛みが和らいだようです。
それから痛みの出る姿勢をとっていただいてグラストンテクニックで筋膜の動きを良くしました。
帰る時には痛みはゼロ!
本人も驚いてました。
膝の周囲には沢山の靱帯・筋肉等の軟部組織があります。
その軟部組織が硬くなっていることが膝の痛みの原因になっています。
レントゲン撮影で軟骨のすり減りを指摘されても
若干のすり減りでは痛みの原因になることはないと考えています。
そのような靱帯や支持帯といった軟部組織の柔軟性を上げて
膝の屈曲・伸展がスムーズに行えるようになれば痛みはなくなってきます。
膝の痛みを訴える方のほとんどが膝蓋骨の動きが硬く、柔軟性が落ちています。
スポーツなどでの膝の使いすぎが膝の周囲の靱帯等を硬くしています。
膝の痛みで専門医へ行かれても、大概
「年齢によるものですね!」
あるいは
「膝の軟骨がすり減って来たのが原因ですね!」
と言われ湿布薬・鎮痛剤で様子を見て終わりでしょう。
しかし、上で説明したように膝の周りには多くの筋肉・筋膜・靱帯など軟部組織が多いのです。
膝関節の支えているそのような軟部組織の異常な緊張をとることで
膝関節の動きがスムーズになり痛みが取れることが多いのです。
整形外科のでレントゲン・MRI撮影では何ら異常はないそうです。
しかし、少し屈んでいたりすると腰に痛みが出てきます。
何度か鍼とお灸で施術しましたが
幾分痛みは和らいだのですが気になる痛みは取れませんでした。
腰椎周囲を触ってみても、もう筋の異常緊張はありません。
症状を訴えている仙腸関節・仙骨部にGT1 GT2 のインストゥルメントで浮腫を取るように施術してみました。
次回来院時のお話では、施術後、凄く調子が良いそうです。
暫くはこのまま継続していきます。
先日より頚の痛みを訴えて来院された患者さんを診ております。
夏前より頚部の痛みがあったようですが、そのうちに治るだろうと放っておいたのですがなかなか症状の改善はなかったようです。
診ると首を左右に捻ると右の首に痛みがあります。
首・肩に鍼をしてみました。
若干痛みは和らいだようですが、首を捻ると強い痛みがあります。
ではと早速グラストンテクニックで首・肩の筋膜にアプローチしてみました。
専用インストゥルメントSCANDSLiCK PRO(スキャンドスリック)で施術開始しました。
数分施術後、首を捻っていただくと、若干ツッパリは残るものの痛みは消えてしまいました。
いやいや 驚きです!
薬には効用と、そして副作用があることをご存じでしょうか?
大概は、薬の効果の方が目立っているため、副作用はあまり気にすることはありません。
しかし、大きな副作用が出る可能性もあることを忘れてはいけません。
ここでは、痛みに対して使われる鎮痛剤(痛み止め)の副作用について見ていきましょう。
最近では、3種類のものが使われることが多いです。
一番よく使われているのがNSAIDs(非ステロイド系鎮痛剤)です。ボルタレン・ロキソニン・アスピリンが代表的なものですが、副作用は、胃を荒らすことが多いことです。
次に、NSAIDsに代わる薬としてトラムセットがあります。作用は、、痛みの伝達神経に直接働きかけ痛むのを和らげます。更に脳にも働きかけ痛みを感じにくくさせます。多くの人で吐き気が起こります。
神経障害(神経が圧迫されたりウィルスによって炎症が起こって出る痛み)の痛みに対して効果的な薬にリリカがあります。、副作用として目眩(ふらつき)・浮腫(むくみ)・体重増加・眠気があります。ウチへ来ている患者さんにもリリカで目眩(めまい ふらつき)がしたと言う話は良く聞きます。
いずれにしても薬を服用して、いつもとは違う症状が出たときには、主治医や薬剤師に相談することです。
急性の痛みのある患者さんに
例えば、急性腰痛症(ぎっくり腰)や寝違え、肉離れ等の患者さんですが
「ストレッチはして良いですか?」
「ストレッチはした方が良いですか?」
と訊かれます。
それに対して私は、
「痛みが消えたらしましょう。それまでは我慢して下さい。」
とアドバイスします。
どうも痛みがあるとストレッチしなければいけないと思っている方が多いです。
痛みのある時に、ストレッチをすると痛みを感じます。
痛みを感ずる度に、傷めているところに刺激を与えることになりますから、良くないのです。
ストレッチは痛みを感じなくなってから行いましょう。
先日、不注意で足の親指をぶつけて、爪下に内出血してしましました(汚い爪で申し訳ありません)。
思ったより酷い状態で、このままで放っておくと、何れ爪が剥がれてしまいます。
そこで、右の画像のように、おおよそで3点とった赤丸のところに熱さを感じるまで透熱灸をしました。
一日目、10壮(10回繰り返すことです)まで熱さを感じませんでしたが、3日目になると3壮で熱さを感ずるようになってきました。
それとともにジンジンしていた痛みも消えてしまいました。
その後、毎日お灸は続けています。
5日目からは隔日で行います(2週間ほどおこないます)。
これで爪が剥がれることなく済むはずです。
6月10、11,12日の三日間、第65回全日本鍼灸学会学術大会が、北海道札幌市で開催されました。小生は、10日(金)の夕方、ANA羽田経由で札幌入りしましたが、小松市も東京都も蒸し暑く夕方になっても気温は30°近くであったのとは反対に、新千歳空港はジャケットを着ていても寒さを感ずるほどでした。
夕方の羽田便であったのですが、上空は梅雨の雲に夕日が映えて、とても幻想的な眺望でした。
今回の大会のテーマは、「これからの日本の医療を担う鍼灸 鍼灸治療と医療連携」でした。今大会で、小生が是非とも聞きたかったのは、開業鍼灸師と外科医との連携した診療を紹介したパネルディスカッション1です。パネリストは、鍼灸師の佐藤雅美氏、脳神経外科医の井須豊彦氏、循環器外科医の佐藤勝彦氏。
開業鍼灸師である佐藤雅美先生の行っている鍼灸のお話は、数年前に東京で行われた日本臨床鍼灸懇話会学術大会で一度拝聴しています。佐藤雅美先生のところでは脊柱疾患を専門としており、殆どの症例でMRI撮影を行い症状と画像とを交えて鍼灸治療の適応・予後の判断を行っています。患者さんのおっしゃる前医の診断を決して鵜呑みにせず、改めて自分の眼で読影を行い、指導を受けている外科医のアドバイスを受け判断しているそうです。更に今回の大会では、循環器外科のドクターとも連携し、患者さんの心筋梗塞や心不全を未然に防いでいるとのことでした。治療をしている間の患者さんの会話から、生活状況(睡眠・食事・趣味等)、身体の状態の情報を得て、専門医に紹介しているそうです。これだけテレビや雑誌等で、病気・健康の情報が流れていても、患者さんは、「エーっ、知らないの!」と言うケースは多いです。何十年も生きてきて胃の内視鏡検査自体受けたことがない人もいます。やはり「餅は餅屋」です。
11日(土)の午後に参加した北海道医療大学北方系生態観察園観察は、北海道ならではの企画であり、大変興味深かったです。オプションでの講座でしたが、受けて良かったです。担当の堀田 清先生の案内で、薬草園である生態観察園を見て回りました。笹の原野だった大学の裏山を整備した観察園には、本土では見るのが難しい、オタネニンジン(朝鮮人参)や、トチバニンジ ン、ダイオウ、カンゾウが生えていました。これは栽培や移植を行ったわけではなく、笹を駆逐していくと徐々に生えだし、増えていったそうです。本来、札幌市周辺は湿地帯でしたが、周辺の山の土を削り客土を行って、今の芳醇な畑作地が生まれたそうです。そして、削り取られた山には笹が生い茂り荒れ地となってしまったわけです。それでその笹を地道に駆逐していくと、何十年、何百年眠っていた種が発芽し、徐々に豊かな里山が出来上がったわけです。
この生態観察園に生えるミズバショウ・ウドの大きさには驚かされました。北陸に生える物の2〜3倍の背丈です。途中には、アカゲラの姿も眼にすることができました。堀田先生からは漢方・生薬のお話も沢山聞かせていただきました。北海道の豊かさを実感した講座でした。
余談ですが、今回の札幌大会では、ちょうど「YOSAKOIソーラン祭り」の開催と重なり、ちょっとした観光気分を味わえました。また、13日(日)は、朝早く起きて、市内を巡回している市電で札幌の街を回ってきました。現地で食べるラーメン・ジンギスカン・生ビールはとても美味しかったです。
次回はお仕事ナシで北海道へ来てみたいです。
81歳の男性です。
約1年前から両側の臀部(お尻)と大腿後側の痛みで整形外科に通院していたようですが
鎮痛剤を使うと若干和らぐようですが、すぐ元に戻るといった状態が続いていたようです。
その他、ブロック注射もやっていました。
直近の投薬では、メチコバール、リマプロストアルファデクス、トラムセット、リリカ、モーラステープ。
4月はじめより下腿に浮腫(腫れ?)が出始め投薬中止となりました。
さて、当院へは1週間前(6/3)に来院されたのですが、腰部・臀部の筋緊張を緩和するように刺鍼し、通電しました。
また、L4−5,L5−S間の棘突起間に米粒大のお灸を5壮しました。
4回継続して施術したところ、歩行時の痛みが消えてしまったんですね。
う〜ん?
これって腰部脊柱管狭窄症かなぁ・・・・・・・・
多分、筋緊張によるトリガーか、神経絞約でしょうね。
案外、簡単に痛みの消えることもあるんです。
一昨日、ある患者さんからの紹介で、寝違えの方が来院されました。
前日に寝違えたそうですが、頭を下にも、上にも、左右にも痛くて向けません。
寝るときにも、頭の置き場がなくて、寝ていても辛そうです。
ところで、寝違えの原因は、疲労の蓄積です。
思い当たる原因もなく、朝起きて首を回そうとすると、痛みで回りません。
非外傷性(怪我では無い)の筋炎で、たまに熱っぽい時もあります。
このような酷い痛みを伴う寝違えですが
鍼をすると1〜2日で驚くほど改善します(念押しにお灸もしておきます)。
上の患者さんも一昨日、昨日の治療で、痛みが8割方無くなりました。
念押しでもう1〜2回治療しておけばOKでしょう。
明日来院されるのが、コチラも楽しみです。
背骨上に圧痛(指で押した時の痛み)が出ている人がいます。正確には椎骨の棘突起と棘突起の間、棘間靱帯の所になります。
常に前屈みになっている人や、猫背気味の人は、肩胛骨の高さぐらいの所に反応が出ています。
また、腰を良く使う人は第4腰椎と第5腰椎の間に出ています。
この圧痛は、この部位に負担がかかっている証拠です。
この部位は直ぐ下に骨があるため、鍼を刺入するとすぐ当たるのと、鍼をしたときに痛みも感じ易い場所です。
この背骨上の反応を取るにはお灸をします。
お灸は、モグサという物を軽く捻って円錐状にし、ゴマ粒〜生米半ぐらいの大きさにちぎって、それを皮膚の上に載せて、線香で火を点けます。
私は、これを最後まで燃やさずに、8分ぐらいの燃えたあたりで取り除きます。
瞬間、チクッと熱さを感じますが、その後は爽快感があります。
また、関節周囲の痛みにも鍼と併用することで、大変効果があります。
私の所へは、整形外科等で治療したが思うように痛みが取れなかった患者さんが多く来院されます。
そのような患者さんに話を聞くと、レントゲンやMRI・CTなどの撮影では、原因が分からなかったと言うものが殆どです。
または、原因が分かったとしても、
「神経の通り道がちょっと狭くなっていた」、「椎間板がちょっと傷んでいる」、「第4腰椎と第5腰椎の間が狭くなってる」 など
原因と言っていいのか分からないようなものばかりです。
鍼治療で痛みやシビレなどの症状がなくなったり、改善したりということは
「神経の通り道がちょっと狭くなっていた」、「椎間板がちょっと傷んでいる」、「第4腰椎と第5腰椎の間が狭くなってる」
が原因ではなく
実は、筋肉の緊張や筋肉に出来た硬結(凝り)が痛みの原因なのではないかと私は思います。
いずれにしても痛みのある方の殆どが、痛み止めや湿布薬では、症状が取れないと言う事実です。
腰椎脊柱管狭窄症は、背骨(腰椎)の老化によって神経の通り道が狭くなり起こります。
腰椎も人間の顔と同じで、多少違いがあります。
神経の通り道を脊柱管と言いますが、元々狭い人、広い人がいます。
狭い人は脊柱管狭窄症になりやすいわけです。
症状は、臀部から下肢の痛み・痺れです。
腰を曲げている姿勢では、足の痛み・痺れは出ないのですが、反ったり、歩いていると症状が出てきます。
最初は15分ぐらい歩くと出ていた痛み・痺れが、そのうち50mも歩けなくなります。
症状の出方も、年数をかけて徐々に出てくる場合と
ある日から急に出てくる場合とあります。
痛み・痺れを長く患っていると神経が傷んでしまい回復しにくくなります。
早期からの鍼施術をお勧めします!
先日、石川県鍼灸マッサージ師会の学術研修会「変形性膝関節症」を受けてきました。
講師は白山市の下崎整形外科院長の下崎英二先生です。
下崎先生のお話では、人工膝関節置換術の動画を交えた興味深いお話でした。
さて、我々鍼灸院にも膝の痛みを訴えて来院される患者様がいます。
変形度合いはいろいろです。
整形外科では老化による軟骨の磨り減りが原因と診断されていることが多いです。
ところで、軟骨は痛みを感じるのだろうか?
と思うのだが、どうだろ?
実は軟骨自体は痛みを感ずる神経の分布は多くはないのです。
では、痛みを感じているのはどこ?
痛みを感じているのは関節包(関節を包む袋)や筋肉の腱であることが多いです。
鍼灸治療では、関節包や筋肉の炎症を鎮め、緊張を和らげて痛みをとります。
特にお灸は効果的です。
痛みを放置していると、痛みが取れにくくなります。
痛みを感じやすい脳状態になり
2・3の痛みのレベルぐらいのものが9であったり10に感じるようになります。
また、痛みがあると脳が勘違いを起こし
常に痛みを感ずるようになってきます。
そこが慢性化した痛みの厄介な点です。
そういう状態が1年 2年 経ってくると、何が痛みの原因なのか分からなくなってきます。
そうならないためにも痛みを感じたら早く痛みを取る治療を受けることです。
やはり仙腸関節ですね。
腰痛や下肢の痛み、痺れを訴える方の全てに、仙腸関節周囲の腫れ・強ばりが見られます。
反応の出かたも様々です。
目で見ただけで盛り上がるほど腫れている方もいれば
表面上はそうでもないですが、少し圧を加えて指で探ると固い繊維化した物が存在する方もいます。
「先生、それって骨を押さえてるから痛いんじゃないですか?」
と訊かれることがありますが
骨の上にのっている薄い筋肉からの痛みです。
症状のないグッドな腰は、押しても触っても痛くはありません。
脊椎(背骨)の土台となっている仙骨と腸骨です。
仙骨と腸骨を繋いでいる部分を仙腸関節と言います。
ここは靱帯で繋がれた固い関節です。
一般には動きがないこととなっていますが、実際にはわずかな動きがあります。
1〜3mmぐらい。
ここの動きが固すぎても、緩すぎても、良くはありません。
腰痛や椎間板ヘルニアの原因となります。
仙腸関節は、車のショックアブソーバーのようなもので、衝撃を吸収しているのですが、
固すぎると上の腰椎に負担がかかってきます。
柔らか過ぎると安定性がなく、これも腰痛や脊柱疾患の原因となります。
この仙腸関節をしっかりさせることが治療のポイントになります。
症状の出ている直接的な部位へのアプローチとともに
土台となる仙腸関節の動きを改善させることです。
帯状疱疹(水ぼうそう)になった後に神経痛が続くことがあります。
これは帯状疱疹の初期に、神経に強い炎症が起こったために起こると考えられています。
当院に通院中のMさん(85歳)は、症状が出てから病院へ行くのが遅かったようで、かなり強い症状だったそうです。
神経痛の症状は、背中から腕にビリッと強い電撃痛が走ります。
特に冬場になると強く、出る回数も多くなるそうです。
外科・ペインクリニックを受診したようですが、あまり強い痛み止めを処方することもできず、様子見となったようです。
鍼灸治療を開始後は、以前より痛みの強さも弱まり、回数も減っています。
テニス肘(上腕骨外則上顆炎)をご存じでしょうか?
テニスを頑張る人だけでなく、中高年で手を良く使う人が良くなります。
物を持ったり、タオルを絞ったりした時に、肘の外側にビリッと痛みが走るのが特徴です。
これは、前腕の筋肉が硬く柔軟性が無くなったたのが元の原因です。
筋肉のくっついている骨の所で、筋膜や腱が炎症を起こします。
先日より来院されている51歳のYさんは、2ヶ月程前からこの症状に悩まされています。
最初は整形外科に通院し痛み止め・湿布薬で様子を見ていたのですが、段々酷くなってきたようです。
それで、たまりかねて鍼灸をしてみようと思ったようです。
3回目の受診で、かなり痛みが和らぎ、ビリッと来る痛みはなくなったようです。
今は力仕事をした後に、鈍痛が出ています。
治療のポイントは患部(肘〜前腕)だけを治療していても症状の改善しにくいことです。
肩・肩胛の周囲にも刺鍼のポイントを求める必要があります。
テニス肘の場合、肩・背中に頑固な筋肉の凝りが出来上がっています。
追記:本日の来院では、自覚症状はないようです。肘の外側を押すと痛みがまだありました。
昨日は大阪府吹田市の明治東洋医学院での近畿支部学術集会に出席してきました。
特別講演は、明治医療大学教授である川喜田先生です。
以下に、先生のお話の内容をかいつまんで紹介させていただきます。
この研究が世界的に一番規模の大きなものです。
研究の内容は、腰痛や膝痛、片頭痛、禁緊張性頭痛などの症状に対して効果、有効性、費用対効果、安全性など様々な角度から臨床試験です。
結果として、腰痛、変形性膝関節症、偏頭痛、筋緊張性頭痛の患者さんに対して鍼治療の効果が確認されました。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の投与よりも有効性が示されています。
安全性に関しては、0.8%の患者さんから副作用的な指摘が報告されたそうですが、いずれも軽度なものでとても安全性の高い治療であることが報告されています。
かたや現代医学のスタンダードな標準治療でのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の投与では、胃腸出血や潰瘍、気管支喘息、肝障害、腎臓障害が起こることは有名です。
場合によっては命に関わることもあります。
以上
今年もランニングシューズのニューモデル登場の時期がやって来てます。
毎年、必ず新しいモデルが出てきますが、これといって目新しいことはないと思います。
デザイン・色で目先だけを変えているのが現状です。
ここ1〜2年は、ミズノが良いです。
以前はアシックスが良かったのですが、最近は残念なことになっています。
ナイキは最悪です。
29日に小学会で大阪に行ってきます。
その際、ショップを覗いて、今シーズンモデルをチェックしてくる予定です。
先月下旬から治療している脊柱管狭窄症の女性(73歳)の方です。
10月半ばから立っていると、臀部から膝下に痛みが出るようになってきました。
痛みのため歩くのもやっとです。
その2日後からは座っていても痛み、日によっては寝ていても痛いぐらいに悪化したようです。
以前から背中や肩の痛みで鍼治療を時々受けていたので、鍼が良いのではと早速受診されました。
念のために整形外科でMRI撮影をするとL4−5のレベルで狭窄がありました。
鎮痛剤も服用したのですが、目眩(目まい)がするようで、服用を中止し、鍼灸治療だけにしました。
最初の数日は一進一退でしたが、2週間もすると長く立っていない限り足に症状が出ることがなくなりました。
今ではたまに足に鈍痛が出るぐらいにまで回復しています。
やはり早く治療を開始したのが良かったんでしょうね、本人もあの時の痛みを思うと驚いています。
以前からの治療経験から、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などによる坐骨神経痛は、症状が出てから半年以内に治療開始したものは、治癒する確率が高いです。
9月13日「白山白川郷ウルトラマラソン」に出場してきました。
標高約1500mを登るこのコースはとても過酷です。激坂の連続で後半になると足が攣る恐れがありますが、足三里・承山・伏兎・風市と後弱い膝周りに「セイリン パイオネックス」を貼っておいたお陰で、足が攣ることなく完走できました。
あらためてパイオネックスの威力を実感しました。
毎日、様々な患者さんを診ていると、椎間板が出ているのに、症状のある人と、ない人がいることに良く遭遇します。
椎間板ヘルニア特有の神経痛は、神経が圧迫されて、そして神経が炎症を起こして、はじめて引き起こされるのでしょう。神経を圧迫+何か?
その何か?は、疲労や精神的ストレス、風邪などでしょう。
そして、神経の炎症が無くなり、腫れが引けば、症状はなくなるわけです。
整形外科でも、全ての椎間板ヘルニアが
➡
とはなりません。その殆どは、手術をしない保存療法を選択します。安静を第一に、服薬・注射が一般的です。しかし、それではなかなか症状が取れないようで、鍼灸治療を選択する方が多いです。
鍼灸は椎間板ヘルニアに良く効きますが、発病から時間の経過したものは、改善が難しいです。おおよその目安として、6ヶ月でしょう。
4月29日、東京で行われた現代医療鍼灸臨床研究会に参加してきました。今回のテーマは不妊治療!少子化が問題されている昨今の事情にマッチしたテーマでしたね。
ところで、鍼灸治療は不妊に効果があるか?と言うわけですが・・・・・・。対外的に納得させるには、まだまだデータが足りないように思います。それと鍼灸単独では難しいでしょうね。
鍼灸で期待できるのは、①月経痛の改善 ②月経不順の改善 ③リラクゼーション効果 ④冷え性の改善 でしょうか。①②は、腰・腹部の刺鍼で、骨盤内の血液循環の促進・骨盤内臓器の機能促進で期待できると思います。③は、身体全体の凝りを解すように治療することで、リラックスできるようになれるでしょう。④は身体全体の刺鍼 特に腰部・下肢への刺鍼で効果が得られると思います。
私は、鍼灸は不妊治療の補助ぐらいに考えたほうが良いと思います。積極的な治療というよりは、「種を蒔く畑を耕す」と言ったところでしょうか。
先日大阪で行われた交通事故セミナーを受講してきました。鍼灸院をはじめ整骨院等には交通事故に遭われた患者さんが来院されます。交通事故での怪我を一般には交通傷害と言います。交通傷害では普通、自賠責保険や任意自動車保険が使われますが、そのシステム自体を我々治療する側の人間は分かっていません。なぜなら、所属する鍼灸師会では交通事故に関する講習がないからです。殆どの治療院の先生の話されることは、先生の経験や人から聞いた知識だけなのが事実です。私自身もそうでした。
そのようなわけで一度、しっかりと専門家の話を聞いてみなければならないと思い大阪に向かったわけです。今回の講師である弁護士大久保八州彦先生は法律事務所オーセンスの所属です。29名いらっしゃる弁護士の中でも1番の交通事故スペシャリストです。交通事故の現状から始まり、自賠責保険と任意自動車保険との違い、支払額の決定されかた、保険会社から途中で治療を中止するように宣告された場合の対応のしかたなど 多くの学ぶことがありました。
先日、富山市で行われた全日本鍼灸学会中部支部学術集会に参加してきました。
一般講演も聞き応えのある演題でしたが、教育講演2の戸ヶ崎正男先生「任督脈を用いた全体調整」は大変興味のある内容でした。
内科的な症状では任脈上の経穴で、整形外科的な症状(たとえば腰痛・肩の痛みなど)は督脈を使って治療するものです。
身体にはいくつもの経絡(ツボの流れ)があるのですが、その中で任脈と督脈は全ての経絡をコントロールするわけです。
その任脈・督脈を整えると全ての経絡のアンバランスが解消され症状が無くなると言うわけです。
任脈は腹側の正中を、督脈は背中側の正中(背骨上)を通ります。
さらに戸ヶ崎先生は根本的な体質を変えるうえでも此の任脈・督脈を重要視しています。先生は主に督脈上の圧痛・陥凹(へこみ)を探り、そこへお灸をしています。
実技でも棒灸と直接灸を使い即席モデルの症状を取っていました。
私も任脈・督脈の反応を見てお灸をすることが多いです。当院では腰・肩・膝等の痛みを扱うことが多く、督脈へのお灸が多いですね。
背骨上を指でさすると、反応が良くわかります。その反応も人それぞれで面白いです。反応の出ているところはスッと手が止まり「ココだぁ!」と直ぐ分かります。
そういったところを指先で探ると痛いことも良くあります。患者さんは、「骨の上だから痛いんだろう?」と仰いますが、そうではありません。正常な場合は痛みはないんですね。
帝京大学整形外科医である小林誠先生の著書です。
見出しは整体・カイロとなっていますが、ある意味鍼灸についても言えることです。
慢性腰痛の85パーセントは原因不明です。これは明らかな椎間板ヘルニアなどの脊椎の変化、腫瘍、骨折などが原因で無い腰痛を指します。
このような腰痛の原因は筋肉からの痛み、関節(椎間関節・仙腸関節)の痛み、椎間板からの痛みの3つに分けられるのですが、今の現代医学診断法ではその何れかと言うことが判別することができません。
しかしこう言った痛みには鍼灸・整体・カイロなどが効果的であることが多いのですが、悲しいかな大学の医学部の教育では教えられることはないのです。
医師自らが興味を持たない限り、その効果については分からないと思います。
この小林先生の本では整形外科医のそう言った疑問点について上手く説明しています。興味のある方は一度お読みになると良いでしょう。
以前はブラジル人の方がよく治療に来ました。しかし、リーマンショックによる景気悪化の後、ウチへの来院もグッと減少しました。
ところがここ最近になりボチボチと治療に来るブラジル人の方々がいます。
彼らを治療して感ずるのは、治癒力の強さです。身体が素直なのか、鍼を信ずる力が強いのかは分かりません(信ずるとか云々言っていると、非科学的だとお叱りを受けそうですが)。ま、驚くほど鍼が効きます!今の日本人の体質が悪いのかもしれませんが。あれほどの酷い痛みが1〜2回の治療でかなり和らいでしまうのです。だから、彼ら独自のネットワークで鍼を勧められ、当院へ来るようです。あまり鍼について知識が無いだけに、素直に治療を受けているのも事実です。だから、マジックだと感ずるようです。
我々の鍼灸院の扉を叩く人の多くが慢性の痛みに悩んでいる方でしょう。勿論、ギックリ腰や寝違えと言った急性の痛みも鍼灸が良く効く症状ですが、治療するうえでのポイントに違いがあります。急性の症状は、痛みが無くなれば治療は一応終了です。しかし、長年患っている慢性の症状では、
痛みが消えた=終了
とはなりません。少し疲れが溜まってきたり、無理をすると、痛みが再発します。完治させようと焦らず、痛みと上手く付き合っていく必要があります。定期的に治療し、痛みを再発させない工夫が大事です。
雑穀がダイエットだけでなく、健康にも良いことはお話しました。私がよく朝食で食べている物にライ麦パンがあります。パン屋さんで作っているライ麦パンではなくてドイツから輸入されているモロ雑穀のパンです。普通売っているライ麦パンはライ麦と小麦粉を混ぜ合わせています。何故ならライ麦だけでは固まらないからです。
私が食べているのは普通のライ麦パンとは食感は違います。ボロボロとしてますが、一度填ると止められません。ライ麦特有の酸味も十分あり、とても香ばしい味がします。そのままでも食べられますが、サッとトーストした方が食べやすいと思います。お好みで野菜やハム・チーズを載せて召し上がるのも美味しいと思います。
日本に輸入されているのはメステマッハーとデルバと言うメーカーのパンです。どちらも混ぜ合わせる材料により数種類発売しています(亜麻仁やゴマ、大麦、オーツ麦など)。
人間の体を作る一番大切なものはタンパク質です。タンパク質の代表選手は筋です。
では、そのタンパク質を作るにはどうすれば良いのか?
それはタンパク質を摂ることです。
ここまでは栄養学の教科書に出ていること。
問題はどのようなタンパク質を摂るべきかと言うことです。
タンパク質の質から言うと、動物性であれ植物性であれ、そう違いはありません。
が、
動物性蛋白質 たとえば牛や豚を摂取した場合、必ず悪玉コレステロールのもととなる、飽和脂肪酸をとることになります。
だから努めて、植物性タンパク質である大豆や小麦(ただし精製した白い小麦は×)や穀物から摂るようにするべきなのです。
あと、魚・鶏肉もグッドです!
健康の為やダイエットのために脂肪の摂取を嫌がる人がいます。しかし人間の身体には脂質(脂肪)はな
くてはならないものです。問題は摂取する脂質の種類です。動物性脂肪は悪玉コレステロールを増やすため、あまり多く取るのはよくないでしょう。しかし、植物性脂肪は返って取る方が身体にいいのです。特にナッツ類は栄養的にも非常に優秀です。
買う場合に注意して欲しいことは無塩・ノンオイルということです。無塩のナッツは甘みがあり、とても美味しいです。小腹が空いた時など甘い物を取るよりアーモンドやカシューナッツ、くるみ等を食べると良いでしょう。
ただし、いくら植物性脂肪が良いからと言って過剰に摂取するのは良くありません。アーモンドで1日23粒。(1・2・3と覚えましょう!)食事と一緒に摂る場合は、その分のトータルカロリーを減らすことは大事です。
炭水化物は、体内に入ると急激に血糖値を上げます。そして急いで膵臓からインシュリンを放出し、また急激に血糖値が下がります。
結果、直ぐお腹が空くということです。
ライ麦・玄米・オーツ麦などの雑穀が身体に良いという言うのは、消化吸収に時間がかかるからです。そのため、急激に血糖値が上がることがなく、空腹を感じられるまでの時間も長くなります。
甘いジュースやスポーツドリンクは、なお危険です。運動で補給するのでなければ飲んでは行けません。あれは砂糖水を飲んでいるようなものだからです。
ダイエット法の一つにハーバード式という方法がある。
糖質を少なめに、植物性タンパク質・植物性脂質を中心とした食事である。
この食事法は、ただ肥満を解消するだけでなく病気にならない身体を作ることを目的としている。
食事は身体に直接入るだけに、一番健康に影響することは理解できる。
空気より重要である。
全粒穀物(玄米・大麦・ライ麦など外側の殻も含めた物)は毎食
キャノーラ油・ひまわり・オリーブ・大豆などの植物性油
野菜(但しジャガイモなど芋類は控えめに)は多めに
果物・豆・ナッツ類も多めに一日1〜2回
魚・卵・鶏肉は一日に0〜2回
乳製品は一日に1〜2回
赤身肉・バターは控えめに
パスタ・小麦粉・米・砂糖・芋は控えめに
あと適度な運動
これにより健康な身体が作られる。
今食べている物は10年後の貴方の身体を作り出すと言うことを理解して食べるようにしましょう!
お気軽にご相談ください |
0761-21-8409 |
受付時間 : 木曜午後・日休診(祝日は診療) 完全予約制 |
フォームからのご相談はこちら |
先日より頚の痛みを訴えて来院された患者さんを診ております。
夏前より頚部の痛みがあったようですが、そのうちに治るだろうと放っておいたのですがなかなか症状の改善はなかったようです。
診ると首を左右に捻ると右の首に痛みがあります。
首・肩に鍼をしてみました。
若干痛みは和らいだようですが、首を捻ると強い痛みがあります。
ではと早速ファシアスリックテクニック(で首・肩の筋膜にアプローチしてみました。
専用インストゥルメントSCANDSLiCK PRO(スキャンドスリック)で施術開始。
数分施術後、首を捻っていただくと、若干ツッパリは残るものの痛みは消えてしまいました。
いやいや 驚きです!
受付時間 | 午前 8:30~12:00 午後 15:00~19:00 完全予約制 |
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定休日 | 木曜午後、日曜(祝日は診療します) |
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ご不明点などございましたら、
下記メールまたは公式LINEでお問い合わせください。
対応エリア | 石川県小松市、白山市、能美市、加賀市など |
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